こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するためのノウハウを解説しています。
こんな疑問を解決できる記事になっています。
本記事の内容
- 試験内容
- 試験の流れ
- 対策方法
公務員試験には、以下の2つ又は3つの試験があります。
- 筆記試験
- 面接試験
- 体力試験(公安職のみ)
上記3つに加えて、職種ごとに試験内容が異なります。
本記事では、代表的な試験内容や職種ごとの試験内容について解説しています。
これから公務員試験に挑戦する人や興味のある人は、本記事を参考にしてください。
この記事は3分ほどで読んでいただけます。
公務員試験の内容
公務員試験は、職種ごとに試験内容が異なります。
大きく分類すると、1次試験、2次試験に分けることができます。
- 1次試験:教養試験・専門試験・論文試験
- 2次試験:面接試験・性格適性検査(職種や場所による)・体力試験(公安職のみ)
最代表的な試験ごとの試験科目を一覧表にしています。
国家公務員 | 地方公務員 | |||||||||
国家総合職(春試験) | 国家総合職(秋試験) | 外務専門職 | 国家一般職(大卒) | 国税専門官 | 裁判所一般職(大卒) | 東京都Ⅰ類B(一般方式) | 特別区Ⅰ類(東京23区) | 地方上級(県・政令市) | 市役所(教養型) | |
教養択一 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
専門択一 | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | × |
論作文 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
専門記述 | ◯ | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | × | △ | × |
面接 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
その他 | 官庁訪問 | 外国語面接 | 官庁訪問 | × | × | × | × | 一部で集団討論 |
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詳しく解説していきます。
教養試験
教養試験は、一部の職種を除きほとんどの採用試験で実施されます。
一般知能分野と一般知識分野から出題され、それぞれに特徴があります。
それぞれのイメージは以下の通り。
- 一般知能分野:計算やパズルのような問題
- 一般知識分野:政治・経済や歴史に代表される暗記系の問題
特に一般知能分野は重要で、合否に直結する問題と言えます。
試験科目は以下の通りです。
分野 | 科目 | 内容 |
一般知能 | 数的処理 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈 |
文章理解 | 現代文、英文、古文 | |
一般知識 | 人文科学 | 日本史、世界史、地理、思想 |
自然科学 | 生物、数学、科学、物理、地学 | |
社会科学 | 法律、政治、経済、社会 | |
時事 | 社会情勢など |
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特に一般知識については、出題範囲が多く対策にも時間がかかります。
教養試験の出題数や詳細については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
専門試験
専門試験は、国家系の試験や一部の地方上級などで採用されている試験になります。
教養試験とは異なり、深ぼった内容が多く厄介な問題と言えるでしょう。
また、採用試験の中には記述式も出題されるため、一定の知識がなければ太刀打ちできません。
試験科目は以下のとおりです。
分野 | 科目 |
法律 | 憲法、民法、行政法、労働法、刑法、民法 |
経済 | ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、会計学、統計学など |
行政 | 政治学、行政学、社会学、国際関係論など |
国家一般職では、心理学、教育学、英語が出題されます。
国税専門官は、情報工学、情報数学、英語など選択科目が豊富になります。
採用試験や職種によって、出題される科目がバラバラなので事前把握は必須ですね。
専門試験については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
>>専門試験の科目一覧と勉強方法【勉強の優先順位が合格の鍵になる】
論文試験
論文試験は、全ての公務員試験で実施されます。
論文試験には、2種類の出題形式があります。
- 論文試験
- 作文試験
論文試験は、ある問題に関する解決策や考えを記述します。
作文試験は、自分に関することを記述しますね。作文形式の方が難易度は低く主に高卒区分などで採用されています。
制限時間は、60分〜90分で、文字数は800字〜1,600文字と幅広く試験によって様々です。
論文試験については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>公務員の論文試験についてまとめてみた【これだけ知っておけば安心】
面接試験
面接試験は、公務員試験の中でも重要度が高く、配点も高い傾向にあります。
面接の種類は以下のとおりです。
- 個別面接
- 集団面接
- 集団討論
- プレゼン面接
面接の種類によって、対策すべき内容が大きく異なります。
特に社会人採用試験では、プレゼン面接など実践に近い能力が求められるため注意が必要です。
面接試験の種類については、公務員試験の面接対策は3つのステップで進めていこう【全体像とコツを紹介】で詳しく解説しています。
性格・適性検査
性格・適性検査については、一部の採用試験で実施されています。
一般的な公務員試験とは異なり、人間の深層心理を試す試験になっています。
試験は様々で、東京消防庁ではクレペリンと呼ばれる単純な計算を永遠と解く問題を採用しています。
特に対策する必要はありませんが、変に良く見せようとしたり、嘘をつくと正常な結果が出ない可能性があります。
正直な答えを記載するように心がけましょう。
適性検査については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>公務員適性検査の代表的な問題と合格を手にする正しい知識を解説
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公務員適性検査の代表的な問題と合格を手にする正しい知識を解説
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体力試験(公安職のみ)
体力試験は、消防士や警察官など公安職と呼ばれる職種において実施されます。
試験内容は、職種によって様々ですが基本的な体力試験が実施されますね。
代表的な体力試験
- 腕立て伏せ
- 上体起こし
- SST
- 長座体前屈
- 反復横跳び・・・
特別な対策は必要ありませんが、平均点を上回っておくことが大切です。
残念ながら、多くの職種で明確な平均点は発表されていません。しかし、文部科学省の資料で平均点を確認することができます。
他の種目の数値を知りたい場合は、文科省の公式ページより確認してください。
体力試験については、消防士の体力試験についてまとめている記事があるので、参考にしてください。
体力試験は基本的に同じ考え方なので、他の公安職の方にも活用していただけます。
その他の試験
近年、増加傾向なのがSPI試験です。
SPI(基礎能力検査)とは、高校受験レベルの簡単な計算問題などを制限時間内に多く解く問題になります。
SPI試験は民間企業の入社試験でも採用されており、情報収集には苦労しないでしょう。
SPI試験は一般的に、教養試験などより難易度が低く人材が集まりやすい利点があります。
そのため、民間企業と併願で公務員試験を受験してもらい有望な人材を確保しようとしています。
大まかな内容は以下のとおりです。
能力検査 | 非言語分野 | 計算、数学的思考、論理的思考の科目 | 割合・比、濃度、速さなど計算。命題、推理、図形、資料の読み取りなどの数学的思考、論理的思考。 |
言語分野 | 国語系関連科目 | 同意語、反意語、二語関係(包含関係など)、語句の意味、ことわざ、慣用句、文法、文章整序(文章の並び替え)、長文読解など |
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SPI試験は、1問にかける時間が1分以下と短く、速く正確に問題を解いていく必要があります。
対策方法は、他の筆記試験とは大きく異なるため注意てください。
以上が、公務員試験の内容になります。
全体をサックと解説しましたが、非常に出題範囲が広く手強い相手です。
計画をしっかりと練って、効率よく対策していきましょう。
公務員試験の特徴と概要
公務員試験は、大学のセンター試験などとは大きく異なり独自の試験が実施されています。
試験科目も大切ですが、それだけで試験内容が決定する訳ではありません。
実は、
受験する職種+受験する場所+試験区分=試験内容
このように試験内容が決定されます。
本章では、試験科目以外の要素をまとめています。
自分がどの要素に該当するかによって、試験内容が異なってくるため注意してください。
下記のイメージで進めていきましょう。
公務員の種類
公務員は、国家公務員と地方公務員に分類されます。
公務員の職種によって、仕事の内容が大きく異なります。
国家公務員
国家公務員は以下の3種類に分類されます。
- 国家総合職
- 国家一般職
- 国家専門職
国家総合職は、公務員試験の最高峰と呼ばれており最難関試験になります。
国家一般職は、国家公務員でありながら地方で働くことも可能な職種。
また、専門職は技術系に代表され専門分野に特化した仕事を行います。
国家公務員については、下記の記事で詳しく解説しています。
地方公務員
地方公務員は、地域に根ざして仕事をするため身近な存在です。
市役所に代表されるように、市民に密着して仕事を行います。
国家公務員は、ほとんど国民と関わりがありませんが、地方公務員は積極的に関わっていきます。
地方公務員については、下記の記事で詳しく解説しています。
試験区分
試験区分は、以下のとおり。
- 大卒区分
- 短大卒区分
- 高卒区分
- 社会人枠
試験区分によって難易度や試験内容が異なります。
大卒区分
大卒区分は、主に大学卒業者及び卒業見込み者が受験する試験です。
名称は様々で、大卒程度などとも呼ばれています。
多くの場合、大学を卒業している必要はなく「大学卒業程度の試学力」があれば誰でも受験可能です。
短大卒区分
短大卒区分は、短大及び専門学校2年生以上の受験生が受験する試験です。
大卒ほど難易度は高くありませんが、高卒区分より複雑な問題が出題されますね。
短大卒区分は、最も受験生が少ないため採用人数もわずかとなっています。
高卒区分
高卒区分は、最も早く公務員になることができる区分になります。
18歳以上であれば高卒区分の対象者となり、難易度も低めです。
公務員として長く勤めたい場合は、高卒区分がおすすめです。
社会人枠
近年、増加傾向にあるのが社会人枠です。
既卒者や社会人として勤務している受験生が対象となります。
大卒区分などとは異なり、筆記試験が免除されていたりプレゼン面接が実施されます。
受験資格
公務員試験には以下の受験資格が適用されます。
- 年齢条件
- 学齢条件
- 専門資格条件
年齢条件
公務員試験の受験資格は、基本的に年齢条件が適用されます。
年齢条件とは「19○○年△月〜19□□年◆月に生まれた者」という記載のことですね。
指定された年齢外の受験生は、受験することができません。
学歴条件
試験の種類によっては、学歴条件が適用される場合があります。
例えば、国家総合職や一部の地方公務員の試験に学歴条件が適用されます。
ちなみに「大学卒業区分」と「大学卒業程度」では条件が異なるの注意してください。
専門資格
多くの受験生は該当しませんが、一部の技術系の試験や専門職の試験では専門資格が必要となる場合があります。
国家資格を有していなければ、受験できません。
公務員試験の流れ
自分の試験内容がある程度わかれば、いよいよ試験本番に進んでいくことになります。
本章では、職種ごとの試験の流れを解説しています。
ちなみに多くの試験で、1つ1つの関門があり突破できなければ、先に進ことはできません。
必ず1つずつ試験をクリアしていきましょう。
国家総合職・国家一般職
国家系公務員の特徴として、官庁訪問が実施される点にありますね。
地方公務員では、最終合格=内定ですが、国家公務員は官庁訪問後の合格が内定となります。
しかし、全ての国家公務員で官庁訪問が実施されている訳ではありません。
官庁訪問などは複雑なので、総合職の試験の流れを詳しく解説している記事をご覧ください。
地方公務員
地方公務員は、国家公務員試験とは異なり試験自体の数も少なく難易度は低めです。
小規模な自治体であれば、2次試験までで内定が決まる場合もあります。
論作文試験については、場所や職種によっては1次試験で実施されることもありますよ。
社会人枠
近年、増加傾向に社会人枠試験。
この試験は、就職氷河期世代や社会人として働いている有能な人材のための試験になっています。
令和4年度には、全国の自治体の約80%で社会人枠が存在しています。
そのため教養試験や専門試験が免除されている場合がほとんどです。
しかし、その分プレゼン面接などの能力が試されるため難易度が低い訳ではありません。
また、公務員人気の高まりから受験者数も増えていますね。
合格するための5つのポイント
初めて公務員試験の内容をご覧になった方は、出題範囲の広さや科目数の多さに驚いたのではないでしょうか。
まさにその通りで、闇雲に対策を始めてしまうと確実に泥沼にハマってしまいます。
本章では、時間やお金を浪費しないためのポイントを解説します。
ポイント①:学習計画を練る
試験の内容が決まれば、実際にどのような対策を進めていくか計画を練っていきます。
初学者の場合は、いきなり詳細な計画は立てられないので大まかでも構いません。
計画に大きく関わる要因は以下のとおりです。
- 自分の学力
- 独学or予備校の活用
- 勉強に充てられる時間
特に、独学なのか予備校を活用するかは大事な要因です。
公務員試験道場では、圧倒的に予備校の活用をおすすめしています。
そもそも、初学者の方は公務員試験に関する知識が乏しいため、学習計画すら立てられないこともあります。
初学者の受験生にこそ、プロの力を上手に利用しながら内定を勝ち取ってください。
予備校については、公務員予備校の選び方のポイントをまとめているので参考にしてください。
ポイント②:試験科目ごとに強弱をつける
強弱とは、力を入れる部分と力を抜く部分を理解することです。
例えば、教養試験では数的処理を極めておくことが大切です。
逆に一般知識偏重で対策をしてしまうと、効率的な学習はできません。
このように全ての科目に強弱(コツ)が存在しているため、早い段階で掴むようにしておきましょう。
ポイント③:試験以外にも注意
公務員試験は、教養試験や面接試験だけが試験ではありません。
意外と盲点になるのが、試験以外のこと。
例えば、出願の際に記入するエントリーシートなどが良い例でしょう。たかがエントリーシートと思って記入すると、痛い目に遭う可能性が高いですね。
受験生の文字から分析できることは多くあります。
受験生の言動は全て見られていると思っておいてください。
ポイント④:自己分析は早めに
自己分析は、面接や論作文試験に大いに関係します。
特に、近年は人物重視の傾向があるため、自己分析の重要度は増すばかり。
自己分析とは、自分の人生の振り返りのことです。
自分の魅力を伝えるためには、自己分析は必須です。
教養試験や専門試験に目が行きがちですが、対策が遅くなると焦ることになるので早めにやっておきましょう。
ポイント⑤:同時進行で勉強を進める
メインの勉強以外にも、先を見越して勉強することを心がけましょう。
公務員試験は第1〜3次試験まで段階が分かれています。
多くの受験生は、第1次試験が終わった段階で第2次試験の準備を進めてしまいがちです。
しかし、第1次試験から次の第2次試験などの期間は少なく、間に合わない可能性が高いですね。
だからこそ、同時進行で勉強を進めていくようにしてください。
予備校を積極的に活用する
ある程度の経験があっても、積極的に予備校を活用していきましょう。
特に初学者の場合は、右も左もわからない状態なのでプロに任せた方が、内定を手にする可能性が高まります。
本記事で解説した公務員試験の内容を見て、少しでも不安に感じた受験生の方は、予備校の活用を考えてください。
最近では、自宅に居ながら質の高い講義を受講することが可能な通信講座もあります。
もちろん予備校は一定の学費がかかりますが、先行投資と考えましょう。
最短で公務員試験に合格することによって、公務員1年目で先行投資の費用を回収することが可能です。
とはいえ、独学でも公務員試験に合格することは可能なので心配しないでください。
独学については、独学経験者の筆者が経験談やおすすめの対策方法について、詳しく解説している記事を参考にしてください。
まとめ:早めの対策が合格への鍵となる
公務員試験の内容は盛り沢山で、合格できるか不安になっている受験生もいるはず。
しかし、効率的な学習方法を身につけポイントを理解していれば、合格する可能性は誰にでもあります。
だた、初学者が完全独学で公務員試験を突破するのは難易度が高めです。
少しでも不安を感じているのであれば、公務員試験のプロが在籍している予備校を活用しましょう。
僕自身も予備校を上手く活用して、公務員試験に合格することができました。
まずは、情報収集から始めてください。
ちなみに資格の大原は、公務員情報が程よくまとまっているので参考になります。
資料請求は、簡単に個人情報を入力するだけなので5分もあれば完了します。