「今の会社を辞めて安定した公務員に転職したいけど、どれくらい勉強が必要なのだろうか・・・」
このような疑問を持つ社会人は多く居るのではないでしょうか。
社会人が公務員になるための必要な勉強時間は、1000時間前後と言われています。
しかし、社会人は学生と違い勉強時間が大切なのではなく、
を意識することが大切になってきます。
実際に、私は上記の2つを意識して試験準備したことによって、社会人でありながら難関の地方上級試験に合格した経験を持っています。
もし、あなたが社会人であり公務員を目指しているのであれば、この記事を読んでいただきたいです。
そうすれば僕が何故、29歳にして内定を貰ったか理解してもらえるはずです。
もくじ
公務員試験合格に必要な勉強時間
公務員試験を突破するためには、おおよそ1000〜1500時間の時間を要すると言われています。
上記の時間は様々なメディアでも言われていることなので、目にしたり耳にしたりしたことがあるでしょう。
また、実際に公務員試験を合格した人たちの多くは、1年以上も前から平均3〜4時間勉強をしています。
1000時間と聞いても、いまいちピンと来ないので具体的に考えてみましょう。
例えば1年前から公務員になるための準備を始めたとします。
1年(365日)×3時間=1095時間
1日3時間勉強すれば1年で1000時間を超えることになります。
1000時間以上は途方もない時間数ですが、1年(365日)で割ってしまえば意外と少ないのです。
社会人が公務員になるために必要な勉強時間
社会人だから1000時間以上必要とか、1000時間以下で良いと言うものではありません。
基本的に考え方は一緒なので1000時間以上は必要であると考えましょう。
しかし、社会人は学生とは違い様々なバックグラウンドを持っています。
そのため一概に1000時間以上必要とは言えません。
場合分けして考えていきます。
公務員試験の受験経験がある場合
社会人で公務員への転職を考えている人の中には下記のような人が居るのではないでしょうか。
考えられるパターン
- 公務員試験に合格したが、辞退して民間に就職した
- 公務員試験に不合格だったので、民間に就職した
どちらにせよ、公務員試験の受験経験がありますね。
このような場合は、準備時間が1000時間以下でも合格できる可能性があります。
何故なら、ある程度勉強方法のノウハウがあるからです。
ノウハウがあれば自ずと「何をすべきか」理解しているので、効率の良い準備ができるはず。
公務員試験の受験経験がない場合
社会人の中には一度も公務員試験を受験したことが無い人も居ますよね。
このような人は、1000時間以上の勉強時間が必要になる可能性が非常に高いと言えます。
何故なら、公務員試験はとにかく「やるべき」ことが多い試験だからです。
少なくとも下記のような試験が想定されます。
- 教養試験
- 論作文試験
- 体力試験(公安職のみ)
- 面接試験
この4つの中にも細分化されたものがあり、準備するべきことは膨大にあります。
この準備を一からするとなると、1000時間以上の準備期間は軽く必要でしょう。
経験のベースが判断材料
1000時間以上の時間が必要なのか、必要で無いのかの判断基準は経験のベースがどれくらいあるかによります。
全てはベース次第と言ったところでしょう。
社会人から公務員への転職を考えている人は、まず自分に公務員試験の受験経験があるのか無いのかを考えてください。
経験があるにしても1ヶ月しか勉強していなくて、公務員試験に不合格になり諦めたような場合であればそれは「経験が無い」に等しいと言えます。
少なくとも半年以上、公務員試験に向けて準備したということであれば「経験がある」と言えるでしょう。
参考
どれくらいの期間、準備をしていたら「受験経験がある」と言えるかどうかの明確な基準があるわけではありません。
自分が「経験がある」と感じれば、その経験を元に準備を進めていきましょう。
逆に「経験があるけど自信がない」のであれば、時間がかかると言うことになります。
最終的には自分次第なのです。
社会人がまずやるべきこと
社会人から公務員へ転職したいと言っても、いきなり準備を始めることはおすすめしません。
まずは自分の状況を判断して「どのような準備が必要なのか」を考えます。
その作業をすることによって初めてどれくらいの準備期間が必要なのか分かるのです。
自分が受験可能なのか調べる
どの公務員になりたいかは、下記のようなパターンでしょう。
- なりたい職種がある(例えば、国家総合職とか)
- 働きたい場所がある(例えば、東京都とか)
この2つになります。
公務員になりたくても公務員試験には、受験資格と呼ばれているものがあります。
代表的なものは年齢制限です。
例えば自分が35歳で、年齢制限が29歳までしか受験出来ないのであれば、受験することは出来ません。
公務員試験に設けられている受験資格は受験する自治体や職種によってもバラバラです。そのため必ず自分で受験資格を確認するようにしましょう。
受験資格の代表例
- 年齢
- 免許
- 職歴
- 学歴

公務員に年齢制限については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>29歳で公務員になった筆者が語る、年齢制限が怖くない理由
こちらもCHECK
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29歳で公務員になった社会人が語る、年齢制限は怖くない理由
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どのような準備が必要か調べる
公務員試験と言えども、その試験内容は様々です。
試験の種類は大きく分けると下記のとおりです。
- 教養試験
- 論作文試験
- 体力試験(公安職のみ)
- 面接試験
順番に解説していきます。
教養試験
教養試験には大きく分けて、一般知識と一般知能の2種類の試験科目がります。(SPI等は除く)
一般知能分野
- 文章理解
- 数的推理
- 判断推理
- 空間把握
- 資料解釈
一般知識分野
- 政治
- 経済
- 社会
- 思想
- 世界史
- 日本史
- 地理
- 文学・芸術
- 英語
- 国語
- 数学
- 物理
- 科学
- 生物地学
- 時事
試験によっては一般知識が出題されない等の場合があります。
必ず希望する職種のホームページで出題範囲を確認しておきましょう。

出題されない問題を勉強するのは無駄ですし、逆に出題される問題を勉強していないような事態は避けましょう。
大まかな勉強計画を立てる
受験資格や出題範囲を調べることが出来れば、次は大まかでも良いので計画を立てていきましょう。
理由は、勉強の全体像を俯瞰することにあります。
全体像が掴めれば、自ずと何を準備していけば良いか分かるようになりますよ。
計画を立てずに勉強をスタートした場合、それは何の準備もせずジャングルに飛び込むようなものです。
また、長期間の準備期間には必ず甘えが出てしまいますよね。
・まだあと半年あるから今日は勉強やめておこう
・気持ちが乗らないから明日からやろう
こんなことを思ってしまったら、効率の良い準備なんて出来ません。
このようなことを防ぐために必ず勉強計画を立てましょう。
こんな感じです。
大まかな計画を立てておくことによって、試験本番までの準備が俯瞰できるようになります。
社会人が働きながら勉強するコツ
社会人は学生とは違い本業の仕事があります。
つまり、本業の仕事をこなしつつ公務員試験に向けての勉強をしていく必要があります。
学生と同じような感覚で勉強を進めていても、絶対に合格することは出来ません。
そこで大事になってくるのは、いかに勉強に割ける時間を作り出すかにあります。
隙間時間をうまく活用しよう
社会人と言えども、何も24時間働いているわけではありませんよね。
そこには必ず隙間時があるはずです。
社会人はこの隙間時間をうまく活用することによって、効率よく勉強することができます。
社会人で考えられる隙間時間
- 出勤前
- 通勤時、退勤時
- お昼休み
- 帰宅時
例えば、朝9時出社で8時に起床しているのであれば、7時半に起床して公務員試験の勉強をしてみましょう。
平日の30分勉強するだけでも、1年で120時間程度勉強していることになります。
たかが30分、されど30分です。
その差が大きな結果を生むのです。
隙間時間を作り出し、うまく勉強していくと社会人でも勉強することは可能ですよね。

誘惑を断ち切ろう
社会人にとって付き合いは重要なことかもしれません。
しかし、このような付き合いは公務員試験合格には関係ありません。
本気で公務員になりたいのであれば、こういった甘い誘いを断るようにしましょう。
付き合いが全て悪いと言っているのではありません。中には取引先との会食もあるでしょう。
断るべき付き合いは「なんとなく行く付き合い」です。
- 先輩に言われたから
- 嫌われたくないから
- 付き合いが悪いと思われたくないから
このような理由で参加する付き合いは何も生まれません。
参加する意味が全く無いのです。
誘いを断って関係が壊れるような人間関係であれば、それまでのこと。
また社会人ともなればお金をある程度所持しています。
ギャンブルや趣味等に時間やお金をかけたいのは理解できますが、そういった誘惑にも打ち勝っていきましょう。
本気で公務員になりたいのであれば、何かを犠牲にしなければ内定をもらうことは出来ないのです。
間違った勉強方法に注意する
社会人の場合は、時間の関係上で効率の良い勉強がより大切になってきます。
そのため間違った勉強方法をしないようにしましょう。
例えば、下記のようなこと。
間違った勉強例
- 休日にまとめて勉強する
- 深夜に勉強する
- 仕事を辞めてしまう
①休日にまとめて勉強する
まとめての勉強は記憶の定着が難しく、おすすめ出来ません。
エビングハウスの忘却曲線という言葉を聞いたことはありますか?
- 20分後には、42%忘れ、58%記憶している
- 1時間後には、56%忘れ、44%記憶している
- 9時間後には、55%忘れ、35%記憶している
- 6日後には、75%忘れ、25%記憶している

出典:Wikipedia「エビングハウスの忘却曲線より」
上記の結果のとおり、1週間前に勉強したことはほぼ忘れてしまいます。
勉強するなら、毎日コツコツとやっていく以外に方法はありません。
②深夜に勉強する
深夜に勉強してしまうと、必ず他の日にそのシワ寄せが来ます。
本業があるのにも関わらず、睡眠を削ってまで勉強してしまうと確実に本業が疎かになります。
本業を疎かにして公務員への転職は不可能です。
本業の仕事に差し支えない範囲で勉強していきましょう。

③仕事を辞めてしまう
公務員試験は1000時間以上の勉強時間が必要と言われていますが、だからと言って「仕事を辞めて勉強しよう」なんて思わないでください。
たしかに、仕事を辞めた方が明らかに勉強する時間が増え勉強に集中できるかもしれません。
しかし、公務員試験に合格するかどうかは別の話です。
社会人は仮に公務員試験が不合格であっても、働き口があることが強みの一つでもあります。
その強みを存分に活かしましょう。
公務員試験は、働きながらでも十分合格できる試験です。

社会人が公務員になるための勉強方法【勉強の方向性】
社会人は働きながら公務員試験対策をする必要があります。
そのため、自分の学力や経験から勉強の方向性を決めていきましょう。
まず、社会人が勉強を進めていくパターンは以下の4つになります。
- 独学
- 学校へ通う
- オンライン講座を受講する
- 隙間時間を上手く使っていく
順番に解説していきます。
①独学
独学が向いている人は、
- 勉強の方法が分かる(ある程度学力もある)
- 最後までモチベーションが維持できる
このようなことを出来る人になります。
独学の場合、勉強だけでなく情報収集や体力錬成(公安職)、面接練習等を全て1人でやっていく必要があります。
受験生にとっては非常に大きな負担になるので、十分に公務員試験の経験があり学力もある程度なければ独学ではやっていけません。
また、モチベーションの維持も自分でコントロール出来る必要があります。
公務員試験の準備は毎日コツコツが基本です。
長期間に及ぶ準備をするためにはモチベーション維持が絶対。
休日はもちろんのこと、早朝や仕事終わりに黙々と机に向かえることができるのであれば、独学でも問題ありません。
②学校へ通う(予備校・専門学校)
学校に通うべき人は、
- お金に余裕がある
- モチベーションが保てない
- 周りに流されやすい
このような人は学校に通いましょう。
学校の一番のメリットはプロの講師に教えてもらえることです。
何事もそうですが、基本的に知っている人に教えてもらうことが結果を出す近道になるんですよね。
また、学校には同じ志を持っている仲間が居ます。
元気が出ない時にもやる気のある仲間が引っ張ってくれます。
しかし、学校はカリキュラムが決まっており社会人にとっては参加することが難しい場合も。
また学校なので学費もかかってきますよね。
時間の融通が効いて、お金にも余裕のある人は学校に通う選択肢はあり。

③オンライン講座を受講する
オンライン講座を受けるべき人は、
- モチベーションは保てるが、受験経験が少ない
- 移動時間を短縮したい
- コスパ重視
- 効率よく勉強したい
このような人はオンライン講座がおすすめです。
最近ではスマホやタブレットを使いながら、動画講義を受け講師陣に質問できるサービス等が登場しており、通学と変わらないクオリティで受講できます。
オンラインだからと言って心配になる人も居るかもしれませんが、コスパや効率の面から考えても、社会人にとってありがたいシステムとですよね。
④隙間時間を上手く使っていく
社会人はとにかく時間が少ない。
そのため、通勤時間や朝早く起きて勉強する等の工夫が絶対に必要です。
5分でも良いから、勉強する時間を作っていくようなイメージ。
そう言った地道な努力が身を結びます。
まとめ:社会人は工夫と効率が求められる
社会人ともなると、勉強する時間が限られているため色々と工夫が必要。
もう一度、記事のおさらいをしておきましょう。
記事の要約
- 公務員になるための必要な勉強時間は1000〜1500時間
- 受験可能かどうか調べる
- 社会人はベースがどれくらいかで、必要な時間が変化する
- 隙間時間やオンライン講座等で勉強していく
社会人から公務員に転職することは、そこまでハードルが高いというわけではありません。
勉強する時間も受験経験によっては、1000時間以下で合格する可能性もあります。
たしかに学生に比べると本業があるため自由な時間は少ないですが、通勤時間に勉強したりオンライン講座を受講する等で対応すれば十分に合格することは可能です。
自分の置かれた状況を冷静に判断して「一体どれくらいの時間が必要なのか」考えてみましょう。
勉強をスタートさせるには、それからでも遅くはありません。
社会人におすすめの予備校については、こちらの記事をご覧ください。
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