こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するためのノウハウを解説しています。
本記事の内容
- 頻出テーマ
- テーマランキング
- 対策方法
実は、公務員試験の論文試験テーマはある程度予測することが可能です。
それは、過去問と、毎年のように出題されるテーマを押さえておくこと。
この記事では、過去の公務員試験で出題されてきた膨大な量のテーマから、本当に知っておくべき厳選されたものだけを掲載しています。
本記事を読んでいただければ、論文試験のテーマについて網羅的に把握できるようになります。
論文試験の全体像については、下記の記事でまとめています。頻出テーマ以外にも情報満載なので、併せて活用してください。
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公務員論文試験のルールと不合格を防ぐ攻略法
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もくじ
公務員試験論文の頻出テーマ
論文だけでなく、全ての公務員試験は過去問を確認しておくことが重要。
過去問から学べることは多々あるので、まずは過去によく出題されているテーマを確認しておきましょう。
頻出テーマ一覧
- 少子化、人口減少
- 高齢化社会
- ワークライフバランス
- 女性の活躍
- 防災対策
- 観光
- 温暖化対策
- 地方創生
- 農水水産業復興
- 格差社会
- 循環型社会
- 個人情報保護
- コンプライアンス
- コロナウイルス
上記のテーマは、過去の公務員試験で数多く出題されてきた内容になっています。
注目すべきは、⑬のコロナウイルス関連でしょう。
日本のみならず、世界情勢を変えてしまった原因なので、今後の公務員試験でもしばらくは出題される予想。
公務員試験論文のテーマランキング【1位〜3位】
ここでは、ここ数年でよく出題されている論文テーマをランキング形式で掲載しています。
このランキングを見れば、近年の傾向がある程度掴めますよ。
新型コロナウイルス・グローバル社会
少子化・人口減少
地方創生
上記のようなランキングになりましたね。
新型コロナウイルスとグローバル社会は同率1位になっています。
それでは実際にどのような試験で、どのような内容のお題だったのか見ていきましょう。
ランキング1位:新型コロナウイルス
コロナウイルス関連のテーマを取り上げたのは下記の自治体。
自治体名称
青森県、栃木県、新潟県、高知県、福岡県、沖縄県
各自治体の論文試験の詳細は下記のとおり。
青森県【大卒・社会人枠】
新潟県【一般行政・大卒程度】
年度:令和2年度
問題文:「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食サービス業や宿泊業等をはじめとした幅広い業種において売上・利益が大幅に減少している。
また、現在の状況が長引いた場合、本県の貴重な財産、魅力である文化・スポーツ団体等の存続も危ぶまれている。
さらに、安全・安心な県民生活の確保に取り組む方々の活動を支えるとともに、将来に向けて、感染症を含む様々な危機に強い環境づくりも必要となっている。
新型コロナウイルス感染症の影響下、社会・経済活動の活性化に向けて、県としてどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べなさい。」
出典:新潟県公式ホームページ
高知県【行政】
年度:令和2年度
問題文:「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の以前と以後とでは、人々の暮らしや経済活動は大きく変化しました。全国では一定数の感染は見られるものの、段階的に移動制限の緩和や経済活動の再開が進められています。このような状況を踏まえ、感染拡大防止対策に努めながら、経済活動を本格的に再開させていく必要がありますが、高知県としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。」
出典:高知県公式ホームページ
ランキング1位:グローバル社会
グローバル社会を題材として取り上げたのは下記の自治体。
自治体名称
宮城県、茨城県、長野県、静岡県、長崎県、鹿児島県
各自治体の論文試験の詳細は下記のとおり。
宮城県【行政】
年度:令和2年度
問題文:「労働力不足の対策として,本年4月に「改正出入国管理法」が施行され,外国人材の活用が期待されている。本県においても,今後,県内に住む外国人の増加が見込まれるが,外国人が地域で働き,学び,生活していくに当たっての課題について考察するとともに,それらの課題に対し,どのような取組が有効と考えられるかについてあなたの考えを述べなさい。」
出典:宮城県公式ホームページ
茨城県【大卒程度】
鹿児島県【行政】
年度:令和2年度
問題文:「鹿児島県では,「かごしま外国人材受入活躍推進戦略」を令和2年3月に策定したところであるが,鹿児島県における外国人労働者の受入れや支援を巡る現状と課題を挙げ,行政としてその課題にどう対応すべきかについて,あなたの考えを述べなさい。」
出典:鹿児島県公式ホームページ
ランキング2位:少子化・人口減少
少子化・人口減少を題材として取り上げたのは下記の自治体。
各自治体名称
北海道、千葉県、長野県、京都府、佐賀県
各自治体の論文試験の詳細は下記のとおり。
京都府【上級】
年度:令和2年度
問題文:「京都府の合計特殊出生率は平成元年の1.46から平成30年は1.29に、出生数は24,855人から17,909人へと減少し、平均初婚年齢、第1子出産年齢、50歳時未婚率は、この20年間でそれぞれ上昇している。
こうした状況の中、京都府では、子どもが社会の宝として、地域の中であたたかく見守られ、健やかに育ち、子どもの生き活きとした姿と明るい声が響きわたる社会を実現していくために、令和元年9月に「京都府子育て環境日本一推進戦略」を策定し、出会い・結婚から妊娠・出産、子育て、保育・教育、就労に至るまでの総合的な子育て支援を行うこととした。
このうち、産業・雇用分野における子育て支援については、若者が経済的な不安を感じることなく働きながら、安心して出会い・結婚から妊娠・出産、子育て等のライフステージを過ごせることが重要であるため、地域において働く場の創出や産業を育成し、その担い手である若者の定着を促すとともに、府外からも若者を呼び込み、地域の活力の維持・向上を図る取組が必要である。
しかし、新規学卒就職者(平成28年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率を見ると、高校卒業者は39.2%、大学卒業者は32.0%と高い状況にある。(資料1参照)
就業する女性においても、第1子を出産後に約半数が退職しているという状況(資料2参照)にあり、その理由として、半数以上の方が「家事・育児に専念するため」、「仕事と育児の両立の難しさ」といったことをあげている。また、就職を希望する女性で育児をしている者のうち実際に求職活動をしている女性の割合は、出産・育児等の理由により、各年齢階級で2~3割程度にとどまっている。」
出典:京都府公式ホームページ
千葉県【上級】
年度:令和2年度
問題文:「人口減少や少子高齢社会を背景に、税収の減少などにより、行政コストが削減され、公共サービスが縮減していくことが懸念されている。そうした中で、行政はいかなる発想と工夫を施していくべきか、具体的な政策課題を挙げて論じなさい。」
出典:千葉県公式ホームページ
ランキング3位:地方創生
地方創生を題材として取り上げたのは下記の自治体。
各自治体名称
山形県、群馬県、富山県、兵庫県
各自治体の論文試験の詳細は下記のとおり。
富山県【総合行政】
年度:令和2年度
問題文:「新型コロナウイルスの感染拡大を契機に東京一極集中の社会構造の問題が改めて明らかになるとともに、地方移住への関心が高まっていると言われています。こうした状況を踏まえ、今後、地方創生の実現に向けて、県はどのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。」
出典:富山県公式ホームページ
兵庫県【行政A】
年度:令和2年度
問題文:「兵庫県では、将来にわたって活力ある地域社会を構築するため、地域創生を推進しており、今年3月には第二期の地域創生戦略を策定しました。
そこで、全国的に地域創生の推進が求められるようになった背景、兵庫県における課題、兵庫県の取組の理念、戦略目標や対策等について述べるとともに、あなたが最も効果的と考える対策(兵庫県の対策に限らない)とその理由を述べなさい。」
出典:兵庫県公式ホームページ
近年の頻出テーマと問題の詳細でした。
試験の種類や場所によっては、同じテーマでも全く違う問題文になります。
論文試験テーマから勉強する方法【2つのステップ】
論文試験のテーマをチェックできたら、早速勉強していきましょう。
大前提として、論文試験は読解力と文章作成能力を試されています。
この2つを意識しながら勉強しないと全く意味がありません。
例えば下記のような例題があったとしましょう。
例題(東京特別区Ⅰ類)
増加する空き家は、景観の悪化、地域の治安や防災機能の低下など、周辺地域に様々な問題を引き起こしています。
一方で、空き家を地域課題の解決や地域コミュニティの活性化に活用していこうという取組みも始まっています。
このような状況を踏まえ、地域の安全や活力に影響を及ぼす空き家問題について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
上記の問題から考えていきます。
ステップ1:問題文の正確に読解する(読解力)
上記の問題で予想できるテーマは「空き家」。
空き家と言えば、ネガティブなイメージが先行しがちですが、この問題ではプラスの部分にも言及されています。
上記の文章で「空き家を地域課題の解決や地域コミュニティの活性化に活用していこうという取組みも始まって」という文章がありますよね。
つまり、空き家の存在をメリットとして捉えていることが分かります。
参考
メリットの部分も述べられているのに、空き家問題ばかりに言及すると、問題が見えていない=読解力が無いと判断されます。
必ず、全体の文章を見ながら考えて行くようにしましょう。
ステップ2:文章を作成していく(文章作成能力)
この問題で問われているのは「特別区の職員として」自分がどうすべきか、ということです。
この部分に独創的なアイディアとか、ユニークなアイディアが求められているわけではありません。
求められているのは、アイディアの優秀さではなくて、あくまで文章作成能力です。
ありきたりの文章でも構わないので、読みやすい文章で書けるようにしておきましょう。
まとめ:頻出テーマはある程度把握しておこう!
頻出テーマは、ある程度把握しておいた方が良いでしょう。
まずは、公務員全体で取り上げられているテーマ。
そして、自分が受験する職種や地域のテーマを勉強しておくことをおすすめします。
特に決まった数字はありませんが、合計で10テーマほど書けるようになっていれば大丈夫ですね。
自分の中でストックがあれば、それを少しづつ変化させ、他の論文テーマにも応用可能です。