この記事のまとめ
「消防士ってどんな仕事ですか?自分でもなれますか?」こんな疑問に徹底的にお答えします!
消防士は国民の生命を守りながら、安定した収入がある非常に魅力のある仕事です。
消防士の仕事や試験内容について、簡単にまとめてみました。
消防士と言えば日々、私たち国民の命を守ってくれる街のヒーロー。
消防士の仕事の内容は幅広く、また非常に高度な知識や体力が求められます。
本記事の筆者であるヤットも、消防士として10年間勤務した経験を持っており、様々な経験をしてきました。
- 消防士の仕事の内容(署・局・警防・予防・・・)
- 試験の内容(筆記・面接・・・)
- 女性の消防士(資格は必要なし・・・)
消防士に関する情報量は多く、一気に全て把握することは難しいですね。
少しずつ情報を頭に入れていきましょう。
ただ、1つ言えることは「条件さえ満たせば誰でも消防士になれる」と言うことです。
目次
消防士ってどんな仕事?
消防士ってなんとなく、「市民を守る仕事」とか「命を助ける仕事」とか抽象的なものが思いつきますよね。
実は、消防士には絶対守らなければならない法律があります。
この法律の条文を見れば、消防士がどんな仕事か一発でわかります。
消防組織法第1条
消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。
上記の条文は「消防組織法」と言う消防に関する法律の一部です。
その一番初めに「消防の任務」が明記されていますね。
実は、この消防の任務こそが消防なのです。
噛み砕くと、
- 消防車や強靭な体力を活用して
- 国民の命や財産を
- 災害から守り
- 被害を軽減して
- 怪我した人を病院に送る
ことが消防士仕事なんですよね。
ちなみにこの「消防の任務」は消防士であれば必ず全文暗記しています。
もし言えないのであれば、もう消防士ではありません。
仕事内容
消防士の仕事は、非常に幅広く多岐にわたります。
大きく分けるとすれば、
- 本部(局)
- 消防署
本部(局)の仕事は、消防本部全体の運営方針などに携わる仕事。
そのため、現場に出ることはなく制服を着用して働く日勤業務になりますね。
普段、市民と関わることは少なく他の公的機関や民間企業との調整が主な業務となります。
一方、消防署は市民の生活に密着した業務です。
一般的に知られている火災出動や救急出動は、この消防署の職員が対応しています。
消防署の中にも制服を着用した職員も在籍しています。
仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士の仕事内容と本当のやりがい【元消防士が徹底解説します】
消防士になるには?
消防士になるためには、2つ壁を突破していかなければなりません。
それが、
- 採用試験
- 消防学校
この2つです。
順番に解説しますね。
採用試験
採用試験は、地方自治体ごとに実施され条件さえ満たせば誰でも受験することができます。
条件として、
- 年齢
- 学歴
- 資格
などがあります。
ほとんどの場合、年齢さえ満たしていれば受験できると考えて良いでしょう。
稀に学歴条件がある採用試験があるので注意してください。(大学卒業が必須など)
採用試験の内容は、4つに分かれています。
- 筆記試験
- 論作文試験
- 体力試験
- 面接試験
ほとんどの地方自治体で第1次試験として「筆記試験」が実施され、合格点を取った選ばれし受験生のみが先の試験に進ことができます。
近年では消防士人気が高まり各地で高倍率を記録していますね。
消防学校
採用試験に合格した受験生は、全員この消防学校に入校する必要があります。
消防学校は全寮制で泊まり込みながら、6ヶ月の時間をかけて「消防士の基礎」を学んでいきます。
事務系の公務員であれば、公務員試験に合格すればすぐに現場に出ますが、消防士は別。
危険な現場対応や高度な知識が求められるため、消防士になるためには最低でも6ヶ月もの時間を要するわけです。
ちなみに、消防学校入校中は仮採用期間であるため消防学校の教官が「必要ない」と判断すれば、退職させられてしまいます。
例えば、
- 定められた成績に満たない
- 教官の指示に従わない
- 不祥事を起こす
などをした場合には、問答無用で首を切られます。
採用試験などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士になるには?【元消防士が簡単に解説・2つの壁を乗り越えよ】
消防士の年収
消防士の年収は、平均して600万円前後。
民間企業では、平均400万円前後となっているため、比較的高い部類に入るでしょう。
しかし、消防士は年収の高さより安定性が特徴と言えるでしょう。
消防士の仕事は、私たち一般市民の生活に欠かせない仕事の1つ。
そのため民間企業のように倒産する危険性はほぼありませんし、急に給料が下がる心配もありません。
給料が上がっていくスピードは遅いものの、それ以上に手当なども充実しており安定性は抜群です。
消防士の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士の年収はいくら?【高給を目指すなら救命士と幹部を目指せ!】
消防士に必要な3つの能力
消防士になるためには、数々の試練を乗り越える必要があります。
採用試験に合格することはもちろんのこと、消防士として現場に出てからも必須となる能力を解説します。
コミュニケーション能力
全ての仕事でコミュニケーション能力が必要となりますが、消防士は特に必要ですね。
例えば、火災現場において燃え盛る建物に進入していくとしましょう。
火災現場とにかく視認性が悪く10cm先も見えないことがあります。
そのような時に背中を任せるのは同じ隊の仲間です。
日頃から訓練などを通してコミュニケーションを密に取っていないと、燃え盛る建物に進入などできません。
また現場以外でも命に関わる業務が多数あるため、必須の能力と言えるでしょう。
体力
消防士は、災害現場対応が原則。
東日本大震災のような大災害が発生すれば、日勤業務などの職員も現場対応します。
その際に体力がなければ、他人の命を救うことはできません。
消防士には自分の身を守るだけでなく、他人の命を救うだけの体力が求められます。
精神力
消防士は追い詰められる現場を幾度と経験します。
いくら知識や体力があっても、簡単に諦めてしまうような気持ちでは、いざと言うときに人の命を救うことは難しいでしょう。
だからこそ、「絶対に救うんだ」という強い気持ちが必要です。
例え、体力や知識が劣っていても精神力が強ければ、人の命を救うことができます。
精神は肉体を超えていく力を持っています。
消防士に関するよくある質問
実際に公務員試験道場に寄せられる質問に答えていきます。
解説する質問はよくある質問なので参考にしてください。
質問①:女性でも消防士になれますか?
A:なれます。
中核都市以上であれば、毎年のように募集していますね。
男性と比べ募集人数が少ないですが、受験者数も少ないので倍率はそこまで高くありません。
体力試験なども女性用の基準が採用されるため、心配しなくても大丈夫ですね。
ただ、わざわざ救命士資格を取るなどの回り道は避けるようにしてください。
女性が消防士になる方法などは、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>女性が消防士になる方法【資格なんて必要なし・元消防士が解説】
質問②:英語は必要ありますか?
A:必須ではありませんが、重宝されます。
近年はグローバル化が進み、外国人対応が急務となっています。
総務省の主導により三者間同時通訳などの導入が進んでいますが、対応が追いついていません。
そのため、実際に英会話をできる消防士はどこでも求められます。
オンライン英会話などを活用することにより、場所や時間を選ばずかつ低価格で英会話を習得しておくと良いでしょう。
消防士の英語の重要性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士に英語は必要?【英語の重要性と採用試験で役立つ情報】
質問③:視力が悪いのですが、消防士になることはできますか?
A:なれます。
視力検査は、きょう正視力を含むためメガネやコンタクトレンズを着用すれば、ほとんど合格できます。
視力が原因で不合格になることは、ほぼありません。
視力検査の他に色覚検査という検査が実施されことがあり、色覚検査で引っかかる受験生が稀に居ますが、再検査で合格する場合が多いですね。
視力検査をはじめとする、身体検査についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士になるための視力【裸眼視力0.3の元消防士が徹底解説】
質問④:出世することはできますか?
A:できます
消防士には階級があり、階級によって責任の重さが変わってきます。
例えば、消防隊長になりたいとか、本部で働きたいなんて野心がある人は昇任試験を受験することによって出世することが可能。
階級については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士の階級を上げければ昇任試験を突破せよ【早く出世する方法も解説】
質問⑤:消防士の1日の流れを教えてください。
A:消防署や本部勤務で異なります。
消防署勤務(日勤業務を除く)であれば、24時間勤務することになります。
大まかには午前中に車両や資機材の点検を行います。
午後からは訓練やパトロールなど。
夜間においては全体ミーティングや事務作業を行います。
この間に災害出動要請があれば、全てに優先して災害対応にあたります。
一方、本部(局)や消防署の日勤業務者は、8時30分から17時15分まで休憩を挟みながら業務にあたります。
日勤業務者は、基本的に出動することはなく事務作業等に特化した仕事が特徴です。
消防士の1日についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:消防士は誰でもなれる!
年齢などの条件さえ満たせば、誰でも消防士になることができます。
しかし、消防士の採用試験をはじめ数々の壁を乗り越えていく必要があります。
最初のうちは、なかなか問題を思い通りに解くことはできないでしょう。
また、面接試験では自分の思ったことを面接官に伝えられません。
最初は誰でもそんなものです。
しかし、絶対に諦めてはいけません。
消防士に精神力が必要であると同じように、採用試験においても強固な精神力が必要です。
消防士になる人の共通点は単純な能力が高いのではなく、諦めなかった人たちです。
あなたも諦めなければ、いつか消防士という扉を開けることができますよ。
公務員試験道場では、いつでもあなたを応援しています!
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