
こんな疑問を解決できる記事を作りました!
消防士の平均年収は、635万円。
この年収は民間などと比較して、高いと言えるでしょう。
この記事では消防士の年収以外にも、
- 給料の仕組み
- 高年収を目指す方法
などについても解説しています。
安定した年収を目指せる消防士の魅力に迫ります!
消防士の全体像はこちらの記事詳しく解説しているので、参考にしてください。
もくじ
消防士の平均年収
消防士の平均年収は「635万円」です。
ちなみに、民間企業の平均年収は「433万円」なので消防士の年収より低い傾向。
消防士の年収は、
- 採用される自治体
- 階級
- 働いた年数
によって大きく異なります。
総務省が行った「令和3年4月1日地方公務員給与実態調査結果」は以下のとおり。
消防士の給与
- 平均基本給与月給:335,532円
- 平均給与:400,344円
- 平均年収:635万円
上記の額には地域手当などが含まれていますね。
具体的には、
平均給与(諸手当すべて込み) | 約400,344円 |
平均基本給月額(扶養・地域手当あり) | 約336,268円 |
平均給与月額(扶養・地域手当なし) | 約301,083円 |
平均ボーナス(期末手当+勤勉手当) | 約1,546,527円 |
平均年収 | 約6,350,655円 |
諸手当を含まない場合は30万円程度ですが、諸手当を含むと40万円を超えてきます。
消防士は、事務職などに比べると手当の種類が豊富と言えますね。

参考資料:総務省「令和3年4月1日地方公務員給与実態調査結果」より
参考資料:国税庁「令和2年度分民間給与統計実態調査」より
階級ごとの年収
消防士の世界には「階級」という制度があります。
この階級が上がれば上がるほど、相対して年収が上がっていくことになるんですよね。
例えば、東京消防庁を抱える東京都では「公安職給料表」を公表しています。

出典:東京都公式ページより
簡単にまとめたものがこちらです。
階級 | 月収 | 年収 |
消防士 | 20〜37万円 | 約300〜400万円 |
消防副士長 | 20〜40万円 | 約300〜400万円 |
消防士長 | 25〜45万円 | 約400〜500万円 |
消防司令補 | 25〜45万円 | 約400〜500万円 |
消防司令 | 26〜48万円 | 約500〜600万円 |
消防司令長 | 30〜50万円 | 約500〜600万円 |
消防監 | 30〜55万円 | 約500〜700万円 |
消防正監 | 35〜57万円 | 約700〜800万円 |
消防司監 | 50〜65万円 | 約800〜1000万円 |
消防総監 | 70〜125万円 | 約1000〜1500万円 |
一番下の階級である「消防士」と、一番上の階級である「消防総監」では、年収の額が大きく異なります。
この年収額の差は、職制上の責任によるもので階級が上がれば上がるほど、責任が重くなりますね。

同じ階級で差が生まれる理由
東京消防庁に限らず、全ての消防本部で同じ階級にも関わらず差が発生してしまいます。
なぜなら、職員の働いている年数に左右されるから。
例えば、消防士長の階級には20代〜60代の幅広い年齢層の職員が居ます。
公務員の給料は、階級を上げずとも年数が長ければ長いほど年収も上がっていきます。
そのため、同じ階級であっても年収に差が生まれるんですよね。
極端な話、やる気が無くても年数が経てば高年収になるということ。
これは、公務員制度の良いところでもあり悪いところでもありますよね。

参考資料:東京都「等級及び職制上の段階ごとの職員数」より
東京消防庁の年収についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>東京消防庁の年収を2つのタイプ【年齢と階級】でまとめてみた
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【消防士】給料の内訳:特殊勤務手当ってなに?
公務員の年収に大きく関わってくるのが特殊な手当の存在。
そして消防士には、他の職種にない手当が存在します。
それが特殊勤務手当です。
特殊勤務手当は、危険な現場に対応する消防士のための手当で、職種などにより様々な種類があるんですよね。
ちなみに一般的に知られている、
- 地域手当
- 期末手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
などとは別物です。
全国の消防本部で似たような手当がありますが、今回は神戸市消防局の手当を例にします。
ヘリコプター操縦業務手当
- 飛行時間3,000時間以上の経験を有する操縦士の行う業務 月額131,000円
- 飛行時間2,000時間以上3,000時間未満の経験を有する操縦士の行う業務 月額112,000円
- 飛行時間1,000時間以上2,000時間未満の経験を有する操縦士の行う業務 月額92,000円
- 飛行時間1,000時間未満の経験を有する操縦士の行う業務 月額66,000円
- ヘリコプターの整備に関し、実務経験が15年以上の整備士の行う業務 月額60,000円
- ヘリコプターの整備に関し、実務経験が15年未満の整備士の行う業務 月額51,000円
- ヘリコプターの整備に専従する職員の行う業務 月額27,000円

整備操縦業務手当
- 大型消防車両若しくは兼務車両の機械担当者又は消防艇の船長若しくは機関長の行う業務 日額300円
- 中型消防車両の機械担当者の行う業務 日額250円
- 小型消防車両又は救急車両の機械担当者の行う業務 日額200円
- 消防車両又は消防艇の整備に従事する職員の行う業務 日額250円

夜間特殊業務手当
夜間特殊業務手当は、消防警備のため、交替制勤務における正規の勤務時間(9時30分から翌日9時30分まで)の全てを勤務した場合又は正規の勤務時間の2分の1(18時15分から翌日9時30分までに限る。)の全てを勤務した場合に支給するものとし、勤務1回につき1,000円とする。

災害出動手当
- 水災、火災等の災害防御のための出動 2時間以下400円
- 救急のための出動で、行旅病人等の搬送(関係機関に引き継いだ場合を含む)に従事した場合 1時間以下400円
- 救急のための出動で、前号に規定する業務以外の業務に従事した場合 1時間以下250円

小隊長業務手当
小隊を指揮する職務であって消防長が定めるものとは、消防司令補以下の階級にある職員が行う警防規程(平成25年9月消訓令第2号)第5条第13項及び第6条第7項に規定する小隊長の業務とし、その額は、日額300円とする。

危険作業手当
- 地上又は水面上10メートル以上の足場の不安定な箇所における立入検査又は通信設備の保守整備
- 特殊災害現場において行う、警戒区域内での災害防御活動

今回は神戸市消防局の手当を参考にしましたが、全国の消防本部でおおよそは同じです。
ただ、地方自治体によって若干違ってきますよ。
参考資料:神戸市消防職員特殊勤務手当支給規定より
【消防士】給料の仕組み:俸給表を知ろう
消防士の給料は、俸給表が大きく関わっています。
この俸給表を簡単にいうと、給料の上がり方を定めた表のこと。
実際に俸給表を見てみましょう。
上記の図は、国家公務員の俸給表になります。
縦軸が「号俸」、横軸が「等級」になります。
縦軸の「号俸」に関しては、年数を重ねれば自然に上がっていきます。
しかし、「等級」はいわゆる昇進。
つまり等級が上がれば階級も上がります。

俸給表は各自治体が定めており、必ず俸給表によって給料をはじめ年収が決まっていきます。
給料表については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>地方公務員の給料表ってなに?【給料表の仕組みと昇給方法を解説】
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消防士で高年収を狙う3つの方法
消防士は年収が安定しているとはいえ、国家公務員などに比べれば低いと言えます。
しかし、消防士でも高年収を狙う方法はあります。
方法①:大卒で就職する
大卒で就職すると、高卒や短大卒に比べて年収が高くなります。
大卒の場合、基本的に幹部候補生として採用されます。
そのため、基本給が高めに設定されているんですよね。

出典:東京消防庁公式ページより
大卒の場合は、昇給スピードも早いため出世を目指すなら間違いなく大卒区分で就職しましょう。
方法②:救急救命士を目指す
消防士として採用されると、様々な職種があります。
その1つが救急隊に所属する救急救命士。
救急救命士は、国家資格を持った消防士で手当などももらえます。
そして何より、圧倒的な出動数を誇るため相対的に給料が跳ね上がります。
消防隊や救助隊であれば1日数件程度の出動ですが、救急隊は軽く10件を超えくるんですよね。
出動時間は24時間ひっきりなしあるため、寝る時間もほとんどありません。
深夜勤務や出動手当などの含めると、一般的な消防士と比べ100万円の差になることも珍しくありませんよ。
方法③:出世する
出世は一番わかりやすい方法ですよね。
消防士は階級と呼ばれる制度があります。
消防士の階級
- 消防士
- 消防副士長
- 消防士長
- 消防司令補
- 消防司令
- 消防司令長
- 消防監
- 消防正監
- 消防司監
- 消防総監(東京消防庁のみ)
主に上記の階級に区別されます。
階級を上げると俸給表の等級が上がるため、年収も上がっていきます。
高卒であれば、消防監。
大卒であれば消防司監を狙えるでしょう。
消防司監ともなると、年収は1,000万円を超えていきます。

消防士は安定した年収が魅力
消防士の年収は平均635万円です。
消防士の年収を知らない人は「意外と少ない・・・」と思っている人が多くいます。
確かに消防士の年収は多いとは言えません。
しかし、特筆すべきは年収の多さよりも安定です。
消防士の給料が大幅に下がることはありません。
また、昇進などを進めていけばコンスタントに給料が上がっていきます。
民間企業では、消防士より多くの給料をもらっている職種もありますが、不況などがあれば給料が下がることも。
最悪の場合、解雇の危険性もありますよね。
しかし、消防士はそんなことはありません。
人の命を救いながら給料をもらえる消防士は、非常に魅力のある仕事と言えるでしょう。
地方自治体による給料ランキングをまとめています。興味のある方は下記の記事をご覧ください。
>>地方公務員の給料を自治体別・職種別ランキングでまとめてみた
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