- 女性が消防士になるためにはどうしたらいいですか?
- 救命士の資格を取る必要はありますか?
- 身体条件が心配です
こんな声を多くいただくので、女性が消防士になる方法をまとめました!
近年では、女性の消防士が全国で活躍しています。
でも、女性が消防士になる方法って分かりにくいんですよね。
この記事では、
- 女性が消防士になる流れ
- 条件
- 避けたい方法
などについて解説しています。
女性が消防士になる方法は、男性とほぼ変わりません!
特別に準備する必要はないですし、心配しないでくださいね。
実際に僕は消防士として10年間働いており、数多くの女性職員と共に働いてきました。
女性で消防士を目指す人はぜひ最後まで読んでください!
消防士の全体像はこちらの記事詳しく解説しているので、参考にしてください。
もくじ
女性が消防士になる流れ
女性だからといって、特別な方法があるわけではありません。
男性と同じように消防職員の採用試験を受験して、内定をもらうことになりますね。
女性だからと言って、特別待遇があるわけではないですし平等に採用試験を受験することになります。
ただ、男性と同じ基準は適用されません。
例えば、
- 体力試験
- 区分
など。
体力試験については、男性の方が圧倒的に体力があるため女性基準が採用されます。
また、女性職員採用枠が設けられている自治体もありますね。
自治体によって、区分などの差があるのであなたが受験したい場所の消防本部の情報を調べておく必要があります。
全国の消防本部の採用情報を知りたい人は、総務省消防庁の検索システムを活用すると簡単に検索できますよ。
下記のボタンからどうぞ。
体力試験は突破できるの?:女性でも十分突破できる
女性の受験生が最も心配しているのが、この体力試験でしょうね。
結論から言うと、心配する必要はありません。
なぜなら、消防士の体力試験は平均以上の体力があれば突破できるからです。
なので、
アスリート並みの体力
なんて必要ありません!

ただし、採用試験で設定された数値を下回ると不合格になってしまいます。
具体的な数値
例えば、東京消防庁の体力試験の内容を見てみましょう。

出典:東京消防庁公式ページより
東京消防庁の場合は、
- 1km走
- 反復横跳び
- 上体起こし
- 立ち幅跳び
- 長座体前屈
- 握力
- 腕立て伏せ
の内容で実施されます。
東京消防庁に限らず、男性と女性では体力試験の基準が異なりますね。
そのため、男性よりもボーダーラインが低く設定されています。
東京消防庁ではボーダーラインを公表していませんが、文部科学省が体力試験の数値を公表しているので参考にしてください。

出典:文部化科学省のデータより
具体的に言うと、左端の得点の「5点以上」を目安にすると良いでしょう。
握力であれば「26〜30」ほどを目指すイメージですね。
ただ、あくまで目安なので受験する年によって若干の変動があるかもしれません。
5点以上は平均点以上なので、十分合格する可能性があります。
逆に得点が4点以下の場合は、一般的な数値が確保できていないため「消防士としては職務を全うできない」と判断され、不合格になってしまいます。

身体検査は突破できる?:身長は心配するな!
消防士の採用試験には、体力試験の他に身体検査があります。
要は「病気とかないですか?」などを検査する内容。
東京消防庁では、
- 身長:おおむね155cm以上
- 体重:おおむね45kg以上
- 胸囲:身長のおおむね1/2以上
- 視力:両目で0.7以上、一眼で0.3以上(矯正視力含む)
- 色覚:消防官として重大な支障がないこと
- 聴力:正常であること
- 肺活量:おおむね2,500cc以上
このようになっていますね。
特に身長を気にしている女性が多いようですが、実は結構雑なんですよね。
条件をよく見ると「おおむね」という言葉がありますよね。
つまり、155cm以下でも採用されることは十分にあります。
例えば「154.9cm」の場合、不合格になるようなことはありません。
「おおむね」と書かれている場合は、雑なんですよね。
また、身体的な条件があるものの人物試験などの方が重視されているため、少しくらい数値は甘く見られているのは暗黙の了解。
だって、採用側からすれば少しくらいの数値の誤差で、優秀な人材を採用できない状態は避けたいですからね。
一方、視力などは明確な数値が定められているため、数値を満たさない場合は不合格となってしまうので注意が必要です。

参考
視力や肺活量が基準値に満たない場合は、週力を諦めるしかありません。
消防士は危険な現場に出動するため、一定以上の体力が求められます。
資格を取ったら合格できる?:必要なし
これもよく質問されるんですけど、資格があるからと言って優遇されるわけではありません。
つまり、資格を取っても意味はない!と言うことです。
これは極端な意見かもしれませんが、厳密に言うと筆記試験を突破しないと意味が無いと言うことなんですよね。
消防士の採用試験は、第1次試験として筆記試験が課せられます。
この筆記試験は、資格とうは考慮されず受験生の一般教養などを確認するための試験。
つまり、どれだけ資格を持っていようが筆記試験では全く意味がありません。
また、面接試験で一定の評価はされますが、人間的に問題がある場合は採用されないでしょう。
そもそも、受験生に求められるのは消防士として適しているかどうか。
資格は、就職してからでも十分に取得できるので、採用側からすればそこまで重要視していません。

参考
採用試験の中には「救命士枠」と言う試験があります。この試験は救命士資格を取得していないと受験出来なので、資格の意味はあるでしょう。
しかし、採用人数が非常に少なく難易度も高いと言えます。
救命士→消防士採用試験の順番はリスクが高い
公務員試験道場では、救命士資格を取得してから消防士採用試験を受験する方法はおすすめしていません。
救命士になる方法は、
- 学校期間で救命士資格を取得する
- 消防士として働きながら、救命士資格を取得する
の2パターンがあります。
前者の場合は、国から指定されている学校で2年以上の時間を要します。
そして、この方法で消防士を目指すのは非常にリスクが高いと思っておいてください。
なぜなら、救命士資格を取得するためには長時間かかる上に、難関試験を突破する必要があるため。
仮に救命士資格を持っていたとしても、筆記試験が免除されることはありません。
つまり、資格を持っていない受験生と同じように筆記試験を受験するんですよね。
そして、この筆記試験に合格できなければ消防士として働くことはできません。
せっかく苦労して救命士資格を取得したのに、消防士になれないなんて最悪ですよね。
確実に救命士として活躍したければ、消防士になってから救命士になる方法ですね!
救命士浪人の悲しい現実
最近増えているのが、
救命士資格を持っているが、消防士になれない
パターンです。
これは本当に悲惨なんですよね。
そもそも救命士は救急車で現場に駆けつけ、早期の措置ができるからこそ価値があります。
しかし、消防士ではない救命士は病院などで働く以外に就職先がありません。
また、病院で働いたとしても実施できる医療行為は非常に限られています。
なぜなら、救命士の医療行為はあくまで「現場で使う」ためのもの。
そのため、病院で実施するような高度な医療行為は救命士には認められていません。
高度な医療行為ができる順番としては、
医師>看護師>救命士
なんですよね。
看護師さんの補助に入ったり、雑用的な仕事が多いと言えます。
病院で働く救命士さんを否定するわけではありませんが「消防士になりたい」と言う気持ちを抱えながら働くのは相当な精神ダメージがあります。

女性は最短で消防士を目指そう!
女性が消防士になるためには、とにかく最短を目指すこと。
なぜなら、年齢を重ねれば不利になるからです。
現在、社会人採用枠が設けられるなど年齢の引き上げが目立ちます。
しかし、女性は別。
残念ながら30歳近くで消防士になる女性はほとんど居ません。
女性は男性とは違い、高年齢になれば体力的なリスクなどがあるため採用されにくい傾向があります。

そもそも、女性の社会人採用枠を設けていない自治体がほとんどです。
だからこそ女性が消防士になるには、とにかく最短の道を目指しましょう。
大まかな目安としては25歳前後が採用される基準となるでしょう。
資格取得などは考えず、消防士の採用試験を突破することだけを考えるべきです。
消防の世界で女性の活躍が求められている
ここまで読んでくれたあなたは、不安と希望が入り乱れている状態でしょう。
しかし、心配しないでください。
実は現在、全国の消防本部で女性の採用を増やす取組みが進んでいます。
なぜなら全国の消防本部のトップ組織である総務省消防庁が、女性躍進を掲げているためです。
実際に平成27年度に「消防本部における⼥性職員の更なる活躍に向けた検討会」が実施され、総務省が主導で動いていますね。
総務省としては、国の消防吏員 に占める⼥性⽐率を令和8年度当初までに5%に引上げることを目標としています。
つまり、以前と比較して女性の採用が進んでいるといえるでしょう。
女性職員の採用状況
実際に全国の消防本部でどれくらい女性職員が活躍しているか見ていきましょう。

出典:総務省公式ページより
平成26年度では、女性の割合が3.5%でしたが、令和元年度には7.1%に向上しています。
数値からも女性の採用が増えているのがわかりますよね。
女性職員の採用を実施していない消防本部も、年々減少しています。

出典:総務省公式ページより
つまり、女性が働ける職場環境がどんどん広がっています。
ちなみに総務省消防庁では女性職員の躍進を進めるため「消防女子」と言う特設ページを作っています。
このページには実際に消防本部で働いておられる女性職員のインタビューなども掲載されているため、参考にどうぞ。
まとめ:女性は今がチャンス
女性の受験生の多くは採用試験に数多くの不安があると思います。
しかし、実際のところ男性職員と難易度は変わりませんし、必要以上に不安になることはありませんよ。
実際に、僕の同期の女性職員は現役バリバリで救急救命士として活躍しています。
女性が確実に消防士になるためには無駄な努力を避けること。
変に資格取得に走ったりする必要はありません。
25歳前後までに採用されるためには、最短で合格を目指す必要があります。
そのために、まずは確実に採用試験を突破することを考えましょう。
時代は、女性の消防士を求めています。
このチャンスをフルに活かしましょう!
具体的な方法については下記の記事を参考にしてくださいね。
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