こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するためのノウハウを解説しています。
こんな疑問を解決できる記事になっています。
本記事の内容
- 特別区の全体像
- 試験内容
- 年収
- 試験の対策方法
特別区は東京都にしかない行政区で、かつ市の役割を担う唯一の自治体です。
よく東京都職員と混同されますが、全くの別物です。また、特別区ごとで面接試験を実施するなど他府県の試験とも異なります。
本記事では、特別区の歴史や試験内容について解説しています。
これから特別区職員を目指している人や、興味のある人は本記事がお役に立てます。
詳しく知りたい方は、公式サイトをご覧ください。
目次
特別区の全体像
特別区に歴史は古く、戦後間もない昭和22年(1947)に地方自治法で決定されました。
特別区は、東京都以外には設置されておらず独自の役割などがあります。本章では特別区の特徴や役割を簡単に解説します。
特徴
一番の特徴は、特別区1つ1つが市と同じ役割を担っています。
例えば以下のような役割があります。
- 区議会は選挙によって行われる
- 条例の制定
- 税の徴収
通常であれば市が担当するような業務も特別区が担当しています。
役割
特別区の役割は、市と同等の行政力を持ちながら東京都と連携しながら職務を遂行します。
具体的な業務
- 上下水道
- 消防
- 固定資産税や市町村税の徴収
- 都区財政調査
特別区には930万人以上の人たちが暮らしており、1,000万人を超える人たちが活動する巨大な都市です。
そのため、東京都単体では細やかな対応はできません。そこで特別区が市政の役割を担うことで対応しています。
東京都と特別区職員は別の自治体になります。採用試験も異なるため注意してください。
東京都職員については、東京都で公務員になる!【採用試験や仕事内容】の記事で詳しく解説しています。
特別区の年収
特別区の平均年収は、690万円です。この年収は他の自治体に比べて高水準です。
特別区の給料情報
- 平均年収:約6,936,056円
- 初任給:約220,400円(Ⅰ類の場合)
- 月給:420,367円
特別区の職員は、東京で働いているため地域手当が満額支給されます。
地域手当は、基本給に対して支払われ特別区の場合は20%加算されます。
例えば、基本給が20万円の場合には4万円分の地域手当が支給されることになりますね。
ちなみに、地域手当が満額支給される自治体は珍しいです。
年収については下記の記事で詳しく解説しています。
>>東京都特別区(23区)の年収は?ランキング形式にして解説
特別区の採用試験
本章は採用試験についてまとめています。
試験の流れ
特別区の採用試験の特徴は、面接試験を受けて終わりではありません。
国家公務員のように官庁訪問が実施されます。
最終面接の後に、受験生が志望している各区で個別面接が実施され、内定となります。
受験区分
特別区の受験区分は5種類あります。
- Ⅰ類
- Ⅲ類
- 経験者採用
- 障がい者採用
- 氷河期世代採用
最も採用者数が多いのがⅠ類事務で、令和5年度の採用予定者数は、1,181名です。
難易度については、Ⅰ類が大卒区分で、Ⅲ類が高卒区分になります。
注意点
Ⅰ類で申し込んだ人は「経験者採用」及び「氷河期世代」の試験を併願することはできません。
Ⅰ類を受験予定の人は注意してください。
受験資格
受験資格については障がい者採用及び経験者採用以外は年齢条件のみです。
障がい者採用試験の受験資格
- 身体障害者福祉法第15条に定める身体障害者手帳の交付を受けている人
- 都道府県知事又は政令指定都市市長が発行する療育手帳の交付を受けている人
- 児童相談所等により知的障害者であると判定された人
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条に定める精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
経験者採用の受験資格
- )民間企業等における業務従事歴が下記の年数以上(受験年の3月31日の時点)ある人
- 【1 級職】 直近 10 年中 4 年 (平成 25 年 4 月 1 日以降で 4 年)
- 【2 級職(主任)】 直近 14 年中 8 年 (平成 21 年 4 月 1 日以降で 8 年)
- 【3 級職(係長級)】 直近 18 年中 12 年 (平成 17 年 4 月 1 日以降で 12 年)
採用試験の詳細は、下記の記事で解説しています。
採用試験の日程
試験が最も早く開始されるⅠ類を例に解説していきます。
告示 | 申込受付 | 1次試験 | 1次試験合格発表 | 2次試験 | 最終合格発表 |
3月17日(金曜日) | 3月17日(金曜日)~ 4月3日(月曜日) | 4月30日(日曜日) | 6月23日(金曜日) | 7月9日(日曜日)~ 7月19日(水曜日) | 技術系: 7月26日(水曜日) 技術系以外: 8月3日(木曜日) |
※令和5年度採用の場合
筆記試験については、4月30日に実施されます。例年1次試験は4月末、2次試験は7月初旬に実施されているので、大きく日程がずれることはありません。
各区分の第1次試験の日程は以下のとおり。
- Ⅰ類:4月末
- Ⅲ類:9月2週目
- 経験者:9月1週目
- 障がい者を対象:9月2週目
- 氷河期世代:9月1週目
試験の日程については、以下の記事で詳しくまとめています。
採用試験の対策方法
本章では、採用試験を突破するための対策方法を解説していきます。
特別区の採用試験では、以下の試験が実施されます。
- 教養試験
- 専門試験(該当区分のみ)
- 論文試験
- 面接試験
筆記試験
特別区の筆記試験では教養試験と専門試験が実施されます。
筆記試験では教養・専門合わせて5割程度あれば合格できると言われていますが、最低でも6割はほしいところ。
ただ足切り点は比較的緩く設定されているので、そこまで心配する必要はありません。
一方、論文試験と面接試験の配点が高いので、注意してください。
教養試験
教養で最も大切な科目は数的処理です。
数的処理は出題数が最も多く、コツをつかめば効率よく得点することが可能です。
まずは解法パターンを徹底的に勉強すること。パターンをつかむと数的処理の8割以上の問題は解けるようになります。
専門試験
専門試験は他の試験でも共通する科目を抑えることが重要です。
最低でも下記の科目を勉強するようにしましょう。
専門科目
- 憲法
- 行政法
- 民法
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 財政学
- 経営学
専門科目は満点を目指すのではなく、6割程度得点できれば問題ありません。
教養試験とのバランスを考えながら確実に得点できるように勉強していきましょう。
専門科目については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>専門試験の科目一覧と勉強方法【勉強の優先順位が合格の鍵になる】
論文試験
特別区の試験において論文は重要です。論文の成績が合格を左右すると言っても過言ではありません。
論文試験のまとめ
- 制限時間:90分
- 文字数:1,000〜1,500文字
- 課題:2題出題され1題選択
論文の出題は例年型が決まっています。
ある課題について「〇〇について、特別区職員としてどうするべきか?」などと問われます。
したがって、下記のポイントで勉強していきましょう。
- 時事の把握
- 特別区の政策を把握
- 実際に書いていく
- 論文を添削してもらう
ちなみに最も大切なことは、添削です。
公務員試験の知識を持ったプロに添削してもらうことで、合格に近づくことができます。
論文試験については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>公務員の論文試験ついてまとめてみた【これだけ知っておけば安心】
面接試験
面接試験は、近年重要視されている試験です。これは特別区でも同じ。
面接は自治体のデータなどを暗記する受験生が多いですが、一旦無視しても大丈夫です。
そんなことよりも、自己分析に時間をかけてください。
自己分析は場所を選ばずいつでもできるので、筆記試験対策の隙間時間などを利用してください。
面接試験については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>公務員試験の面接対策は3つのステップで進めていこう【全体像とコツを紹介】
予備校の活用が確実
特別区の採用試験を最短で突破するためには、公務員予備校を活用しましょう。
特別区に試験では、多くの科目を対策しなければなりません。
初学者から全てを対策するのは至難の技です。そこで頼りになるのは、公務員試験のプロがそろった予備校です。
近年多くの受験生が予備校を活用して公務員試験を突破しています。
僕自身も予備校を活用して難関試験に合格することができました。
おすすめの公務員予備校については、下記の記事を参考にしてください。
>>公務員通信講座・予備校おすすめ10選を元公務員が比較解説
まとめ:個性豊かな23区で働こう!
特別区は23区それぞれに個性があり同じ区はありません。
また、大都市東京の中で区民に寄り添いながら仕事ができるのは、非常に魅力的です。
専門試験や官庁訪問などがあるものの、しっかりと対策すれば合格の可能性は十分にあります。
まずは、公務員予備校などを活用しながら着実に対策を進めていきましょう。
関連情報
令和5年度Ⅰ類採用試験(土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気)においては、筆記試験は専門試験のみの実施となります。
特別区の公式サイトでは「これまで以上に多様な人材に特別区で活躍してもらうため、技術区分の試験について、チャレン ジしやすい試験内容に変更します。」との発表がありました。
この機会にぜひ挑戦してみてください。
特別区の公式サイトは下記のボタンからどうぞ。