こんな疑問を解決できる記事を作りました!
消防士の階級には幾つも種類があり、その上がり方は意外と知られていないものですよね。
消防士の階級には10種類あり、それぞれで求められるものが異なります。
僕は、消防職員時代に政令指定都市の「消防士長」として働いていた経験を持っています。
この記事では、消防士の階級がどのように上がっていくのか簡単に解説しています。
実は消防士のキャリアを狙っています・・・
こんな受験生の方は必見です。
早く出世するとっておきの方法もあわせてお伝えしますね!
消防士の全体像はこちらの記事詳しく解説しているので、参考にしてください。
目次
消防士が階級を上げる方法
消防士が階級を上げる方法は2通りあります。
階級を上げる方法
- 昇任試験を受ける
- 上司から推薦してもらう
順番に解説していきますね。
方法①:昇任試験を受ける
消防士の世界には「昇任試験」という試験があります。
昇任=階級を上げる
ことを意味し、階級を上げるための試験ですね。
昇任試験は、誰でも受験できるわけではなく一定の条件(業務年数)をクリアした消防職員が対象となります。
試験の内容は地方自治体によって異なりますが、概ね以下のような内容ですね。
- 筆記試験(地方公務員法、組織規則・・・)
- 論文試験(地方自治体特有のもの)
- 面接試験(消防局長や人事課長などが担当)
公務員試験のような試験ですが、昇任試験の内容は消防に振り切った試験。
消防士として必要な内容しかありませんね。
方法②:上司から推薦してもらう
消防士長や消防司令補と呼ばれる階級までは、昇任試験が実施されている場合が多いです。
しかし、消防司令以降は「推薦」という形をとっている地方自治体が多くなっています。
推薦で昇任する場合には、上司からのお墨付きをもらい人事課に連絡してもらう流れになりますね。
ある程度出世してしまうと、ほとんど推薦になりますよ。
【消防士】階級の種類と仕事内容
消防士の階級は以下のとおりです。
階級章 | 名称 | 通称・規模による名称の違い |
消防総監 | 東京消防庁の消防長 | |
消防司監 | 政令指定都市の消防長・東京消防庁の次長 | |
消防正監 |
| |
消防監 |
| |
消防司令長 |
| |
消防司令 | 出張所長・課長補佐・中隊長 | |
消防司令補 | 主任・隊長 | |
消防士長 | 副主任・副隊長 | |
消防副士長 | 係員・隊員 | |
消防士 | 係員・隊員 |
※参考資料:大阪市消防局:「消防の階級について」より
順番に解説していきます。
消防総監
消防総監は、東京消防庁のトップ。
つまり東京消防庁のみに在籍しており、他の地方自治体には存在しません。
消防総監は東京消防庁のトップでもあり、消防長会のトップでもあるため実質日本の消防組織の長でもありますね。
仕事の内容
他の地方自治体の消防長と同じ業務を担当する。
加えて全国の消防本部の取りまとめ役もするため、まさに日本消防の顔である。
消防司監
各地方自治体消防本部のトップ。
例えば、神戸市であれば神戸市消防局長が、横浜市であれば横浜市消防局長が該当します。
政令指定都市の消防長となりますね。
ちなみに東京消防庁では、次長・部長の地位になります。
仕事の内容
- 組織の運営方針の最終判断
- 議会への出席
- 消防学校での証書授与など
消防正監
消防局の部長又は各消防署の消防署長が該当します。
消防局の部長クラスであれば、
仕事の内容
- 総務部長
- 企画部長
- 監察担当部長
- 予防部長
- 警防部長
- 救急部長
などですね。
規模の小さい消防本部だと、そもそも消防正艦の階級は存在しません。
東京消防庁の場合は、方面本部長や消防学校長が該当します。
- 消防学校長であれば、入校した学生の教育
- 消防局の部長であれば、他の部との調整や消防長への報告など
消防監
消防局又は消防本部の各課の課長、担当課長が、消防署(消防正監を除く)では、消防署長が消防監の階級に該当します。
民間企業であれば「課長」に相当しますね。
また、消防吏員数100人以上、又は人口10万人以上の市町村における消防本部の長又は署長に該当します。
仕事の内容
- 消防署の課長であれば、課のまとめ役
- 小規模な消防本部であれば消防長となる
- 他の課との調整役
消防司令長
消防署であれば副署長(総務)や、副署長(警防・予防担当)などが該当します。
消防吏員100人未満、人口10万人未満の市町村であれば消防長になりますね。
中隊長や大隊長と呼ばれています。
仕事の内容
- 各署の警防課長であれば課のまとめ役
- 副署長であれば、消防署長の補佐
消防司令
消防局各課の担当係長、消防署の担当司令がこの階級に該当します。
政令指定都市以上であれば、中隊長になりますね。
各部隊の長として、指揮や前線指揮の役割を果たします。
仕事の内容
- 司令長の補佐的な役割
- 出張所の長との調整
- 各部隊の隊長との調整
- 指揮隊長
- 消防署署員の教育
消防司令補
消防司令を補佐するものに与えられる階級になります。
一般的に「主任」と呼ばれることが多いですね。
政令指定都市であれば、部隊を任されたりと責任の重い業務にあたります。
仕事の内容
- 部隊長として係員の育成にあたる
- 消防団などとの調整
- 訓練の企画
- 他の係や部の隊長との調整
消防士長
消防士長から初めて「幹部」に該当します。
詳しくは「初級幹部」と呼ばれ、大きな仕事を担当するなど、消防士よりも責任が重くなりますね。
仕事の内容
- 主任の補佐的役割
- 後輩の訓練の指導
- 隊長代理など
消防副士長
東京消防庁以外の消防本部では、ほとんど残っていない階級ですね。
消防士長ほどの責任の重さはないものの、消防士に比べて仕事の幅が広いと言えます。
消防士
消防吏員に採用後、1番最初に与えられる階級ですね。
基本的にこの階級からスタートし、階級を上げていく流れになります。
消防の仕事だけでなく、先輩消防署員のお世話や雑用もこなす必要があります。
仕事の内容
- 消防地図の更新
- 工事届の受理
- 消防署見学の対応など
参考
消防本部の規模によって、名称や階級は大きく異なります。
例えば、東京消防庁のような大規模消防本部と、消防吏員数が100人以下の消防本部など。
自分が志望する「消防本部名+組織図」で検索すれば、知ることができます。
【消防士】最速で出世する方法
実は、消防士としていち最速で出世する方法があります。
この方法を知っていれば、遠回りすることなくストレートで出世の波に乗ることができますよ。
大卒区分で採用される
どの消防本部でも、大卒区分で採用されると最も早く昇任試験を受験することができます。
例えば神戸市消防局で消防士長に昇任しようとすると、
大卒:1年
短大卒:2年
高校卒:4年
の実務経験年数が必要です。
大卒と高卒を比べると3年もの違いがあります。
なぜなら、大卒区分は大学や社会経験などがあるため優遇されるから。
また消防士長以降の昇任ついては、
消防士長の在職年数3年
が必要となるため、結局どれだけ早く消防士長にはるかが勝負になります。
イメージとしては下記のような感じですね。
参考資料:神戸市消防局「昇任の選考に関する規則」より
仕事で結果を残す
民間企業であれば、会社の利益に繋がることをすれば出世します。
これは消防も同じこと。
例えば、災害現場で数多くの人命を救助するなど。
また、救助大会で全国1位を取るなどすることも効果的ですね。
上司から気に入られる
これはどこの世界でも同じです。
消防司令補以上になってくると、上司からの推薦が増えるため実質「上司次第」なんですよね。
消防の世界では出世競争など無縁と思われがちですが、意外と出世争いも派閥争いも存在してます。
上司にいかに気に入られるか。
これは出世を狙う人は絶対抑えておくべき点です。
消防の世界で出世するとどうなる?
消防の世界で出世すると言うことは、現場に出られなくなると思っておきましょう。
政令指定都市であれば、最前線で活躍できるのはギリギリ消防司令。
いわゆる中隊長クラスです。
中隊長以上になると、現場に出たとしても指揮をとる役割になることになります。
そのため「現場で活躍したい!」なんて人はむやみに出世してしまうと、現場に出られなくなってしまうので注意してください。
しかし、階級を上げることで組織運営や消防の根幹に携わることができるため様々な魅力がありますよね。
消防士は階級によって求められることや、仕事の内容が大きく変化していきます。
そして何より階級が上がればそれだけお給料が増えます。
人の命を救いながら、高収入を目指すのであれば間違いないく階級を上げていくべきです。
消防士の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>消防士の年収はいくら?【高給を目指すなら救命士と幹部を目指せ!】
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