こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するノウハウを解説しています。

こんな疑問を解決できる記事を作りました。
この記事の内容
- 仕事の内容
- 給料
- 試験内容
- 難易度
- 試験の対策方法
当サイトの運営者であるヤットは、公務員として10年間の職務経験があります。
僕自身が受験で大変苦労したため、初学者目線で公務員関連情報などを解説しています。
東京消防庁。
消防官を目指す受験生のほとんどが一度は聞いたことのある組織ではないでしょうか?
そう、東京消防庁は日本が世界に誇る世界No.1の消防本部なのです。
実は、東京消防庁に関する情報はネット上に溢れかえっており、いまいち分かりにくい。
実際に、情報が多すぎて取捨選択が難しい状況です。
「これから東京消防庁を目指したい」と思っている人は、ひとまずこの記事を読めば東京消防庁の全体像をつかむことができます。
各項目の詳細については、他記事のリンクを貼っているので興味のある方は、確認してみてください。
もくじ
東京消防庁ってどんな消防組織?【仕事内容など】

出典:東京消防庁公式ホームページより
東京消防庁は言わずと知れた日本最大の消防組織。
その規模や能力などから世界的に見てもNo.1だと言われています。
職員数と管轄地域
東京消防庁の発足は昭和23年3月7日。
島しょ地域と稲城市を除く、東京都のほぼ全域の消防防災業務を担っています。
東京消防庁の職員数は、約18,600人。これは日本のみならず、世界でも最大の職員数を誇ります。
東京都の地域特性として、高層マンションがや商業施設が立ち並ぶ都市部、緑深い山々が広がる山間部を合わせると約1,770平方キロメートルになります。
そこに、人口約1,300万人の都民が暮らす。

組織
組織図と聞いてピンとこない方も居るかもしれませんが、非常に大切なポイントです。
要は、東京消防庁にどんな部署があるのかまとめた図になります。
この図は何となく頭に入れておくだけでOK。
実際に、この図を見ると自分が働きたい部署が見つかるかもしれません。
各業務の詳細は下記をご覧ください。
災害対応
- 消火
- 救急
- 救助
- 特殊災害
- 水防活動
- 指令業務など
火災予防
- 建物の消防同意、検査
- 建物の防火安全対策
- 危険物施設の安全対策
- 防火、防災管理者の育成指導
- 火災調査
- 防火査察など
震災対策
- 人命安全対策
- 出火防止対策
- 初期消火
- 地域防災体制の強化
- 消防水利の整備
- 複合災害への対応力の強化など
防火・防災対策
- 日常生活の安全対策
- 要配慮者の安全確保
- 消防広報
- 自主防災組織の育成
- 総合防災教育など
技術改良安全検証
- 火災性状の検証
- 消防装備の技術改良、検証
- 消防活動に関わる生理学、災害心理の検証
- 総合防災教育など
教育研修
- 初任教育
- 専科教育
- 幹部教育など
受験生の段階で仕事の内容などを全て把握する必要はありません。
なんとく知っておくだけでOK。
組織図(消防署と消防方面本部)
東京消防庁には81署の消防署があり、それぞれ10個の方面に分けられています。
消防署
消防方面本部
詳しくは、東京消防庁公式ホームページ(組織図)をご覧ください。
消防力(車両や部隊数など)
東京消防庁はとにかく数値が圧倒的。
ここでは、そんな数値関係をまとめています。
・職員数と署の数等
消防職員合計 | 18,661人 |
消防吏員 | 18,238人 |
消防吏員以外の職員 | 423人 |
消防署 | 81署 |
消防分署 | 3分署 |
消防出張所 | 208所 |
消防車両等 | 2,078台 |
・消防車両等
ポンプ車 | 489台 |
救急車 | 270台 |
救助車 | 29台 |
はしご車 | 86台 |
水難救助車 | 4台 |
山岳救助車 | 5台 |
科学車 | 48台 |
消防活動二輪車 | 20台 |
消防艇 | 9台 |
消防ヘリコプター | 8台 |
詳しくは、東京消防庁公式ホームページ「組織一覧」をご覧ください。
東京消防庁ではどんな仕事ができるの?
東京消防庁に限らず、消防の仕事は大きく4つに分けられます。
①災害対応業務
②予防・広報業務
③防災安全業務
④本庁業務
順番に解説していきますね!
①災害対応業務

出典:東京消防庁公式ホームページより
ポンプ隊
いち早く現場に駆けつけ、各隊と連携を取り消火・救助・危険排除などにあたる。
救急の現場では救急隊と連携した活動も行う。(PA連携とも呼ばれる)
特別消火中隊
複雑・多様化する災害に対応するための部隊で、消火活動能力と安全管理能力の高い隊員で編成されている。
新人はこの部隊には入れない。
救急隊
傷病者に適切な処置を行い、医療機関に搬送する。
各隊には救急救命士が配置され令和元年5月より、デイタイム救急隊(多数要請に備えるため)が発隊しています。
特別救助隊
高度な知識と専門技術、特殊な資器材を駆使する部隊。一般的にレスキュー隊と呼ばれている。
火災や交通事故、自然災害などあらゆる災害で活躍している。
指揮隊
災害の実態や被害状況を現場で把握し、出場部隊全体を指揮する。
あらゆる情報から活動方針を決定し、被害を最小限にすることを目指している。
はしご隊
高層階に取り残された人の救出や、高所からの放水を行う。
はしごは下方向にも伸びるため、海などへ転落した人の救出も可能。
消防活動二輪車
山岳事故や高速道路での火災・交通事故にいち早く対応。
他車両に先行して出場するため救急の技術なども求められる。
科学機動中隊
危険物や毒劇物、放射性物質などを原因とする特殊災害現場での人命救助、漏えい拡大の防止、除染などの活動を行う。
山岳救助隊
多摩地区の4つの消防署に配置され、滑落などの山岳事故に対応する。
車両が進入できない危険な場所では航空隊などと連携することも。山岳専門の救助隊は全国的にも珍しい。
水難救助隊
人が溺れている、車が転落したなどの水難事故に対応。
潜水器具により、水中での救助活動を行う。
船艇隊
東京港沿岸に位置する3つの消防署に配置され、船舶を含む港湾・河川部の消火・救助活動、火災警戒などを行う。
詳しくは、東京消防庁公式ホームページ「業務一覧」をご覧ください。
②予防・広報業務

出典:東京消防庁公式ホームページより
消防同意・建物検査
消防同意制度により、建物の設計段階から防火に関する審査や指導、検査を行い、より安全な建物づくりを推進。
予防業務
建物や店舗へ立ち入り、消防用設備などの状況を検査。重大な法令違反には、警告や命令などの違反処理を行う。
平成31年4月より、機動査察隊が発隊。
防火・防災管理指導
事業所の防火・防災管理者の選任や、消防計画の作成などを指導。
従業員などに対して自衛消防訓練の指導も実施している。
危険物規制
危険物施設を設置・改修する際の許可や完成検査、危険物流出などの事故発生時の原因究明、再発防止対策など、安全確保に努めている。
火災調査
火災原因調査、損害調査のほか、消防設備の作動・活用状況、延焼拡大の要因、避難状況などを調査して、各種消防施策に反映する。
消防広報
広報紙やポスター、インターネットを活用して情報発信を行うとともに、都民の意見を収集し消防行政に反映している。
詳しくは、東京消防庁ホームページ「業務一覧」をご覧ください。
③防災安全業務

出典:東京消防庁公式ホームページより
震災対策
地震発生時に身を守ることを最優先とした行動や、負傷原因となる家具類の転倒・落下・移動防止対策の普及に努めるなど防災指導を推進する。
地域防災
住まいの防火防災診断や住宅用防災機器などの設置促進を図っている。
また日常生活における事故の対策指導や、防災福祉対策も推進している。
防災指導
防災行動力向上のため、消火器や起震車などを用いて、自治会や学校を中心に初期消火、身体防護、救出・救護などの指導を行います。
消防団
消防団が効果的に活動できる環境の整備、資機材の配置を行うとともに、災害に備えた活動訓練や防災訓練の指導などを実施している。
詳しくは、東京消防庁公式ホームページ「業務一覧」をご覧ください。
④本庁業務

出典:東京消防庁公式ホームページより
企画調整部
重要事業計画の策定・進行管理/組織整備/予算編成・決算/広報・広聴など。
安全推進部
業務上の安全対策/安全対策の評価・検証/安全教育の推進/事故原因の科学的検証/災害活動の安全化/消防装備の改良/災害実態の分析把握/火災鑑定など。
総務部
式典・行事などの運営/文書の審査・管理/法務/国際業務/各種契約/消防庁舎の設計・工事/情報通信設備の整備・維持管理など。
人事部
⼈事管理/人事制度/委託研修/採用/表彰/勤務制度/給与/福利厚生/健康管理/職員相談など。
警防部
消防戦術の立案/消防部隊の運用計画/災害現場指揮/消防隊員の技能管理/特殊災害の消防活動対策/災害通報の受付・出場指令/統合機動部隊の運用など。
防災部
都民生活の安全対策/震災対策/防災に関する調査・研究/消防水利の整備/消防団の組織整備など。
救急部
救急施策の立案/救急医療機関との連携/救急相談/救急資器材管理/救急隊への指導/応急手当の普及など。
予防部
火災予防施策の立案/建物の防火安全対策/危険物施設の安全対策/防火査察/火災調査/事業所の防火・防災管理指導など。
装備部
消防車両・消防艇・機器などの整備計画/消防車両などの製作指導、仕様書の検討・作成/正服・防火衣などの改良/機関員の技術指導など。
装備工場
消防車両をはじめ、各種消防機械器具の性能や機能が十分に発揮できるよう点検整備を実施している。
消防学校
職員の業務研修/教育計画の立案/教材などの作成/新規採用者の教育など。
消防方面本部
方面内の消防署に関連する消防業務の連絡・調整/予防業務の指導/救急業務の指導/災害活動の指揮・指導/消防特別警戒の指揮・指導/消防訓練の指導など。
音楽隊
日本初の消防音楽隊として創立し、「地域と奏でる防災のハーモニー」をキャッチフレーズとし、防火・防災を呼びかけている。誰もが安心して過ごせる「セーフシティ」の実現を推進している。
カラーガーズ隊
女性職員で編成されており、東京消防出初式や各種行事などで華麗な演技を披露します。多くの都民に親しまれている。
即応対処部隊
大規模な自然災害において、エアボートなどの主要装備により進入困難な地域にいち早く進入し、ドローンなどを活用した被害状況の把握や迅速な救出救助活動を行う。
救急機動部隊
特定の消防署に属さない、本部直轄の部隊。高度な知識と技術力を持った精鋭が集められ、昼夜で拠点を変えて活動している。
航空隊
8機の消防ヘリコプターを運航し、消火、救助、救急、情報収集などを行うほか、航空消防救助機動部隊を中心に国内で発生した大規模災害にも派遣されている。
詳しくは、東京消防庁公式ホームページ「業務一覧」をご覧ください。

参考
例えば面接で「災害対応業務で特別消火中隊で活動したいです!」なんて言うのもあり。
答えが具体的になればなるほど、面接官には好印象。
東京消防庁の年収
東京消防庁の平均年収は、470万円ほど。
民間企業の平均年収が420万円ほどなので、高水準の年収が支給されます。
また、東京消防庁の給料の中には手当が多く含まれています。
例えば、
- 出動手当
- 救急手当
- 救出救助手当
など。
これらの手当が基本給に加わるため、人によっては多くの給料が支給されることに。
また、東京都は「地域手当」が全国で最も高くなっていることでも有名。
年収などの給料関係は、下記の記事で詳しく解説しています。

【東京消防庁】採用試験の内容
東京消防庁と言えども、他の公安職と変わらず普通の公務員試験が実施されます。
しかし、東京消防庁特有の採点方法などがあるため注意が必要です。
第1次試験
第1次試験では、
- 教養試験
- 論作文試験
- 適性検査
が実施されます。
特に、教養試験での一般知能の配点が高く設定されており、知能の出来が合格を左右します。
また、論作文試験では文字数に注意したいところ。
受験人数が多いため、論作文で文字数が足りていないと内容以前に足切りで不合格となってしまいます。
第2次試験
第2次試験では、
- 面接試験
- 体力試験
- 身体検査
が実施されます。
体力試験などは、特に特筆するものはありません。
しかし、面接は別。
東京消防庁の面接試験は、大きな会場を区切って小さなブース内で実施されます。
そのため、他の受験生の声が聞こえてきたりと、気が散るような環境下で受験することに。
ある程度の練習が必要でしょう。
試験内容については、下記の記事でまとめているので参考にどうぞ。
難易度
東京消防庁は全国の消防本部と比較して、難易度が低いと言われています。
近年の倍率などは以下のとおり。(2021年度)
区分 | 受験者数 | 合格者 | 最終倍率 |
Ⅰ類 | 2,835 | 395 | 7.2 |
Ⅱ類 | 1,861 | 102 | 18.2 |
Ⅲ類 | 4,678 | 231 | 20.3 |
しかし、試験が全国規模で実施されていたり、日程が他の試験と被らないことから受験生が集まりやすくなっていますね。
また、年度によって受験生のレベルが大きく異なるため、難易度を測ることは難しいと言えます。
まずは、自分のやるべきことに集中しましょう。
倍率については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>東京消防庁の倍率は気にする必要なし【理由3つと最新データまとめ】
東京消防庁の職員になる方法
東京消防庁に就職するためには、採用試験を突破し消防学校を卒業する必要があります。
最初の難関はやはり採用試験でしょう。
比較的、難易度が低いと言われているものの、油断は禁物。
他の受験生のレベルが高ければ、合格点数のボーダーラインは上がります。
独学で挑戦する受験生も多くいますが、多くの受験生は公務員系学校を活用しています。
公務員系学校は、公務員試験に合格するための方法を親身になって教えてくれます。
公務員試験道場でも公務員に関する情報を発信していますが、内容の濃さでは公務員系学校には敵いません。
公務員系学校には様々な種類がありますが、公務員試験道場ではアガルートアカデミーをおすすめしています。
アガルートは、質の高い講義と抜群のコスパが魅力的。
実際に当サイト運営者のヤットが体験済みなので、自信を持っておすすめできます。
他の公務員系学校については、下記の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
>>【2023最新】公務員予備校の費用まとめ【予備校7社を徹底比較・費用を抑える方法〇〇】
【参考】東京消防庁の過去の活動
東京消防庁は、日本のみならず世界でも活躍する消防組織です。
そんな東京消防庁が過去に活動してきた実績は多数あり、ここではほんの一例を紹介します。
年代 | 名称 |
1995年1月17日 | 阪神・淡路大震災に特別救助隊を派遣 |
1995年3月20日 | 地下鉄サリン事件 |
1997年 | インドネシア森林火災に虚空隊を派遣 |
1999年8月 | トルコ共和国地震に国際緊急援助隊を派遣 |
1999年9月 | 台湾地震に国際緊急援助隊を派遣 |
2000年6月 | 東京都三宅島火山活動に消防救助機動部隊を派遣 |
2001年9月1日 | 歌舞伎町ビル火災 |
2003年5月 | アルジェリア民主人民共和国地震に国際緊急援助隊を派遣 |
2004年7月13日 | 平成16年7月新潟・福島豪雨に緊急消防援助隊を派遣 |
2008年5月16日 | 中国四川大地震に国際緊急援助隊を派遣 |
2011年2月24日 | カンタベリー地震(クライストチャーチ)に国際緊急援助隊を派遣 |

まとめ:東京消防庁は世界No.1の消防組織だ!

出典:広報とうきょう消防より
東京消防庁は、世界に誇る消防組織です。
そんな消防組織で働ける人は、ごくわずか。もし、東京消防庁に少しでも興味があるなら今すぐにでも採用案内を確認して、試験申込みをしましょう。
人生は一度きり。世界No.1の消防組織で働いてみてはいかがでしょうか。
消防士については、こちらの記事で解説しているので参考にどうぞ。