この記事のまとめ
「国家一般職」について解説!
一般職ってなに?一般職ってどんな試験があるの?
どのように試験が進んでいくのか、どんな試験対策が必要なのか・・・などなど。
元公務員の筆者が初心者向けに解説します!
国家公務員一般職(以下「一般職」)は、国の中心で働く公務員。
しかし、一般職と言われてもどんな仕事でどんな試験があるのか、いまいち理解しにくいですよね。
この記事では、図解などを用いて最低限知っておくべき情報について簡単に解説しています。
この記事を読んでいただければ、一般職の全てが理解でき今後の試験に役に立ちますよ。
目次
【国家公務員】一般職の基礎知識
一般職は、行政系と技術系という職種に分けることができます。
また仕事内容は「主として事務処理等の定型的な業務に従事する職員」と定義されています。
国家総合職が企画・立案などを担当し、その情報をもとに全国の機関に対して具体的な指示を行う業務こそが一般職の仕事になります。
イメージとしては、総合職が脳で一般職が手足みたいなものです。
仕事内容
仕事は、定型的な業務が中心。
また、中央省庁で働くか各地方の出先機関で働くかで変わってきます。
地域に関しては大きく9地域に分かれています。
- 北海道地域
- 東北地域
- 関東甲信越地域
- 東海北陸地域
- 近畿地域
- 中国地域
- 四国地域
- 九州地域
- 沖縄地域
受験する際に、上記の地域から選択することになります。
中央省庁で働きたい場合は「関東甲信越地域」を選ぶとよいでしょう。
詳しい仕事内容については下記の記事で詳しく解説しています。
>>初心者でも解る国家公務員の仕事内容【職種別でまとめてみた】
給料
一般職の給料構成は以下のとおり。
- 俸給
- 地域手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 期末・勤勉手当(ボーナス)
これらの要素を元に、職員によって給料が変わってきます。
行政職員(1級25号俸の場合)
- 俸給 182,200円
- 本府省業務調整手当 7,200円
- 地域手当 36,440円
- 合計 225,840円
出典:人事院公式ページより
休暇など
勤務時間は、原則1日7時間45分、土曜日、日曜日及び祝日等の休日は休みになっています。
代表的な休暇は以下のとおり。
- 年次休暇
- 病気休暇
- 特別休暇(夏季、結婚、出産、忌引、ボランティア・・・)
- 介護休暇
- 育児休暇
国家公務員に限らず、公務員は休暇や民間企業に比べて休暇や福利厚生が確実に確保されていますよね。
【国家公務員】一般職の試験内容
一般職は地方公務員とは異なり、専門試験や官庁訪問など特有の試験があるため注意が必要です。
試験区分は、大卒区分、高卒区分、社会人試験の3つからなります。
試験の流れとしては、下記のとおり。
詳しく解説していきます。
第一次試験
第一次試験では以下の3つの試験が実施されます。
- 基礎能力試験
- 専門試験
- 一般論文試験
基礎能力試験
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識についての筆記試験)を試される試験ですね。
試験内容
- 知能分野27題 文章理解11、判断推理8、数的推理5、 資料解釈3
- 知識分野13題 自然・人文・社会13(時事を含む)
専門試験
80題出題され、 40題選択し解答する試験になります。
試験内容
政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、 民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、 財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、 教育学、英語(基礎)、英語(一般)
一般論文試験
課題に対して、文章による表現力、課題に関する理解力などについて、論理的に答える試験です。
ちなみに、高卒区分は作文試験になり難易度が下がりますね。
第二次試験
受験生の人柄、対人的能力などについて個別面接が実施されます。
近年の傾向では、人物重視となっているため注意が必要ですね。
官庁訪問
官庁訪問は、一般職特有の試験になります。
地方公務員は「最終合格=内定」ですが、一般職は違います。
官庁訪問は、受験者が志望官庁に関する知識を深め、積極的に自己PRできる機会。
官庁訪問を経て、各官庁から内定を得ることができます。
いわゆる「内々定」というものですね。
参考
各官庁は、官庁訪問を通じて、受験者が各官庁にとって適した人材であるか、行政に対する意欲がどの程度あるかなどの確認を行い、受験者との間でマッチングを行います。(一部抜粋)
出典:人事院公式ページより
【国家公務員】一般職の難易度
実は、難易度とは非常にあいまいで抽象的なもの。
なぜなら、人によって感じる難易度は千差万物だからです。
ただ、よく難易度=倍率で判断されることから、一般職の倍率について解説しますね。
まず、2022年度の一般職の平均倍率は「3.6倍」になります。
場所によっては1.6~6倍で、この開きの要因は場所によるところが多いでしょう。
場所による倍率の低さを狙う対策方法はアリかもしれませんね。
一般職の倍率に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
国家総合職と国家一般職のちがい
一番大きな違いは、総合職はゼネラリスト、一般職はスペシャリストということ。
総合職は「政策の企画立案」などが主な業務。
職性上、非常に多彩なエリート街道を歩みます。
例えば、海外に赴任したり民間企業に出向したりと若くして様々な場所で仕事を経験をすることになります。
このようなことから、ゼネラリスト(幅広い仕事)と呼ばれているんですよね。
一方、一般職は中央本省で働くこともありますが、地方の各府省で働くことが多いですね。
また、府省を超えての異動がなく特定府省で長く働くこになります。
つまり、スペシャリスト(専門分野に強い)と呼ばれています。
【国家公務員】一般職の魅力2つ
一般職は、地方公務員や総合職と比べて以下のような魅力があります。
地方で働くことが可能
初心者の受験生は「国家公務員=全国転勤・東京のみ」のような勘違いをしていませんか?
それは間違い。
国の機関は全国にあり、地方都市で働くことが可能です。
仮に婚姻をはじめとする諸事情がある場合は、希望する地域への異動の可能性は十分にあります。
スペシャリストとして働ける
総合職との比較でも解説しましたが、一般職はスペシャリストとして働けます。
また、府省を超えての異動がないため1つの仕事を集中して行うことができますね。
例えば、地方公務員は長くても4年ほどで異動してしまうことを考えれば一般職は、スペシャリストとしての魅力がありますよね。
【国家公務員】一般職試験は独学で合格できる?
結論、初心者の場合は公務員系学校を活用しましょう。
なぜなら、一般職は官庁訪問や専門試験などがあり、特別な準備が必要です。
しかも、勉強だけでなく論文試験や個別試験など、同時進行で進めていく必要があります。
これは思った以上に大変で、身体的にも精神的にも負担をかけてしまいます。
確かに独学は学費がかからないなどのメリットはありますが、相当ハードルが高いと言えるでしょう。
僕自身は、独学で3年以上もの年月を浪費してしまったので「独学は危険」と断言します。
公務員系学校の活用
公務員系学校は、最短で公務員合格への道筋を示してくれる存在です。
公務員系学校の講師は、何年にも渡り公務員試験に精通したプロと言えますね。
プロの知識は受験生とは比べ物にならないレベルで、指導してくれます。
指導を受けたからと言って、合格する保証はありませんが、最短での合格を目指すことが可能です。
現在では、公務員予備校など安価で高品質な学校が幾つかあるので、ぜひ一度検討してみてください。
まとめ
一般職は、国家公務員として国の中枢で働けるにも関わらず、地方でも働けます。
また、スペシャリストとして長く1つの仕事に従事することができる魅力的な仕事です。
一般職には、専門試験などがあり受験を躊躇してしまう受験生も居ますが、しっかりとした対策をすれば合格の可能性は十分にあります。
正しい努力を続けていけば、一般職の合格への扉を開くことができます。
おすすめの公務員予備校を知りたい方は、【2022最新】おすすめ公務員予備校2校を厳選【実際に体験済み】をご覧ください。