こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するためのノウハウを解説しています。
こんな疑問を解決できる記事になっています。
この記事の内容
- 採用試験の内容
- 初等科研修の内容
- 極秘情報(チャンス大)
当サイトの運営者であるヤットは、公務員として10年間の職務経験があります。
僕自身が受験で大変苦労したため、初学者目線で公務員関連情報などを解説しています。
刑務官になるためには、採用試験の合格と初等科研修という研修を修了する必要があります。
どちらか1つでも欠けることがあると、刑務官になることはできません。
ちなみに、刑務官は他の警察系の公安職の中でも就職の大きなチャンスがあります。
「警察官への道は諦めた・・・」という人でも、刑務官への道が残っているかもしれません。
刑務官の総合情報については、下記の記事を参考にしてください。
目次
刑務官になる流れ
刑務官になる流れは大きく2つです。
- 採用試験の合格
- 初等科研修の修了
初等科研修は、採用試験を合格した者が受けることができる、刑務官の養成所のようなもの。
そのため、採用試験に合格しない限り初等科研修を受けることはできません。
詳しく解説していきます。
採用試験
刑務官は、法務省に所属する国家公務員の1つ。
そのため、公務員試験採用試験が実施されることになりますね。
ちなみに、この採用試験の受験も2つの道があります。
一般的には刑務官採用試験を経て、刑務官となります。
もう一方の道は、国家総合職採用試験を経て刑務官になる道。
この方法で刑務官になる者は、基本的に幹部候補生であり現場(刑務所など)に出ることはありません。
初等科研修
初等科研修は、警察でいうところの警察学校のような場所です。
刑務官の採用試験に合格したからといって、すぐに刑務官として現場に出れるわけではありません。
そもそも、刑務官の相手は犯罪を犯した受刑者です。
罪の大小に関わらず、曲者揃いで一筋縄ではいきません。
そのような受刑者の相手をするために、刑務官としてのイロハを教えてもらえる養成所こそが初等科研修です。
初等科研修を修了すると、中等科・高等科などのより高度な知識を習得できる研修も受けることができます。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
刑務官採用試験の内容
刑務官の採用試験も他の採用試験と大きな違いはありません。
しかし、受験資格などで特徴があるため注意が必要。
受験資格
受験資格は、以下のとおり。
- 刑務官A
- 刑務官B
- 刑務官A(武道)
- 刑務官B(武道)
- 刑務官A(社会人)
- 刑務官B(社会人)
※Aは男性、Bは女性を表す
細かく分類されていますが、一般・武道・社会人の3つの区分があります。
基本的には、武道以外は年齢のみが受験の条件となります。
一般は、17歳以上29歳未満。
社会人は、29歳以上40歳未満となっています。
参考
武道の場合は、年齢に加えて柔道や剣道の「実技試験」が実施されます。
自由打ち込みなどは経験者でなければ、突破することはできません。
試験科目
試験は、二段階に分かれておりそれぞれに対策が必要。
第1次試験
内容は以下のとおり。
試験科目 | 問題数 制限時間 | 配点 | 内容 |
基礎能力試験 (多肢選択式) | 40 題 1時間 30 分 | 4/7 | 公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての 筆記試験 出題数は 40 題 知能分野 20 題(文章理解⑦、課題処理⑦、数的処理④、 資料解釈②) 知識分野 20 題(自然科学⑤、人文科学⑨、社会科学⑥) |
作文試験 | 1題 50 分 | 1/7 | 文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験 |
実技試験 (刑務 A(武道)・ 刑務 B(武道)のみ) | 基礎能力試験に加点 | 柔道又は剣道の実技に関する試験 |
基礎能力試験に関しては、過半数の点数を占めるため合否に大きく関わります。
第2次試験
内容は以下のとおり。
試験科目 | 配点 | 内容 |
人物試験 | 2/7 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
身体検査 | ※ | 主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他 一般内科系検査 |
身体測定 | ※ | 視力についての測定 |
体力検査 (刑務 A(武道)・ 刑務 B(武道)を除く) | ※ | 立ち幅跳び、反復横跳び上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査 |
※の部分は合否のみの判断。他は配点化されています。
武道を選択した受験生は、実技試験があるため体力試験は実施されません。
試験地
国家公務員であるため、全国で実施されます。
一般・社会人・武道で、試験地が少しづつ異なるため注意してください。
2022年度の試験案内を参考にしてください。
【刑務官】初等科研修の内容
初等科研修は、採用試験を突破した受験生が必ず受けることになる研修。
刑務官学校のようなものですね。
初等科研修では、
- 座学・・・刑法や憲法などの法律知識
- 実技・・・集団行動や矯正護身術
などを中心に研修が行われます。
研修で講師を担当するのは、現役の刑務官。
時に厳しく、時に優しく学生を指導してくれます。
この研修を修了しない限りは、刑務官として働くことはできません。
参考
類似している警察学校と比較して、厳しさは若干劣るようです。
これは、実際に刑務官になった友人からの情報。
警察学校ほど厳しくないので、拍子抜けしたようですね。
採用試験における極秘情報
公安職、特に警察系の採用試験で考慮しておくべきことの1つが身辺調査。
公務員試験における、身辺調査とは「受験生自身が犯罪を犯していないか」などを調査するもの。
警察官の場合は、受験生自身だけでなく身内まで調査されます。
そのため、自分に非がなくても身内で犯罪を犯した者が居れば、警察官になるとはできません。
「警察官の採用試験は不合格だった。多分、身辺調査で落とされたかもしれない・・・」
こんな悩みを持っている受験生に朗報です。
実は、刑務官の身辺調査は警察官採用試験より緩くなっています。
警察官の場合は非常に幅広く調査されますが、刑務官は限定的な調査のみ。
そのため、警察官採用試験で合格できない場合でも、刑務官になることは可能。
実際に、僕の友人もとある事情で警察官になることはできませんでしたが、見事刑務官の試験に合格することができました。
まとめ:就職できるチャンス大
刑務官になるためには、2つの壁を突破する必要があります。
1つが採用試験。
もう1つが、初等科研修です。
刑務官は身辺調査がそこまで厳しくないため、警察官になれなかった受験生でも合格できる可能性がありますね。
また、社会人枠や武道枠が設定されていることから、非常に門戸が開かれている職種の1つ。
警察官は犯罪の予防や、犯罪者の逮捕がメインですが、受刑者の社会復帰などに関わることはありません。
警察官ではできない役割を担う刑務官が非常に魅力ある仕事。
このチャンスを活かしてみてはいかがでしょうか。