「地方公務員試験ってどんな試験があるんですか?」
「他の試験との違いはありますか?」
こんな質問が多いので、今回は「地方公務員試験の試験内容」について書いてみました!
僕自身は、地方公務員試験を何度も受験し何度も試験内容で失敗してきた経験があります。
- 試験内容をきちんと確認してなかった
- 試験内容を勘違いしていた
こんな失敗をしないためにも、確実に試験内容について理解を深めていきましょう!
ちなみに勉強方法などを知りたいあなたには、こちらの記事がおすすめ。
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5分程度でサラッと読めるので、試験内容の雰囲気をつかんでみてください。
地方公務員試験の内容【6種類】
地方公務員試験には大きく6種類の試験があります。
それが、
- 教養試験
- 専門試験
- 論作文試験
- 適性検査
- 体力試験(公安職のみ)
- 面接試験
の6種類。
詳しく解説していきますね!
①教養試験
教養試験は「公務員として必要な教養を試す」試験になります。
この試験は最初の難関であり、多くの受験生が苦手としている試験になりますね。
様々な呼び名があり初学者は混乱すると思いますが、基本的に全ての公務員試験で実施されるものという認識で大丈夫でしょう。
教養試験の基本情報
- 形式:多肢択一
- 問題の種類:一般知能、一般知識
- 出題数:40〜50題
- 制限時間:1時間30分〜2時間
形式
多肢択一とは、幾つかの選択肢の中から正解の1つを選ぶ方式。
公務員試験の場合は、5つの選択肢の中から選ぶことになります。
そのため、記述などの必要性はありません。
問題の種類
問題の種類は、一般知能と一般知識の2種類が出題されます。
一般知能は、数学的知識を使った問題で計算やクイズのような問題ですね。
一般知識は、歴史などの暗記系の試験。
科目の詳細については、以下の表を参考にしてください。
一般知能 | 数的処理 | 数的推理 |
判断推理 | ||
空間把握 | ||
資料解釈 | ||
文章理解 | 現代文 | |
英文 | ||
一般知識 | 人文科学 | 世界史 |
日本史 | ||
地理 | ||
思想 | ||
文芸 | ||
自然科学 | 数学 | |
物理 | ||
化学 | ||
生物 | ||
地学 | ||
社会科学 | 法律 | |
政治 | ||
経済 | ||
社会 | ||
時事 |
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表を見てもらってわかるように、非常に出題範囲が広く学習に時間がかかります。
出題数
自治体名 | 総出題数 | 一般知能(数的処理) | 一般知識(文章理解) | 一般知識 |
東京特別区Ⅰ | 40題 | 19題 | 9題 | 12題 |
東京都1B | 40題 | 16題 | 8題 | 16題 |
地方上級・全国型 | 50題 | 16題 | 9題 | 25題 |
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出題数は40〜50問程度となっていますね。
一般知能については、全体の半分以上を占め非常に重要度の高い科目。
また、一度解き方を理解してしまうと全ての問題を解けるため、コスパの高い科目と言えるでしょう。
一般知能については、下記の記事で詳しく解説しています。
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制限時間
試験の時間は、1時間30分〜2時間程度。
ちなみに50問出題されたとして2時間で解くとしたら、1問あたり2分半で解く必要があります。
公務員試験は時間との戦いでもあるんですよね。
②専門試験
専門試験は、主に大卒程度などで実施されている試験になります。
教養試験に比べ深い内容まで問われるイメージですね。
高卒程度や短大卒程度では、専門試験はありません。
また、大卒程度でも専門試験が実施されない場合もあるので注意が必要です。
専門試験の基本情報
- 形式:多肢択一か記述式
- 問題の種類:法律・経済・行政
- 出題数:40題程度
- 制限時間:1時間30分〜2時間
形式
教養試験とは異なり、多肢択一式か記述式のどちらかになります。
ほとんどの試験では多肢択一式が採用され、一部の試験で記述式が採用されていますね。
問題の種類
科目 | 詳細 |
経済科目 | マクロ経済学 |
ミクロ経済学 | |
財政学 | |
経営学 | |
会計学 | |
統計学 | |
法律科目 | 憲法 |
民法 | |
行政法 | |
労働法 | |
刑法 | |
行政科目 | 政治学 |
行政学 | |
社会学 | |
国際関係論 |
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専門試験は、大学などで専攻した科目を受験生が選択して試験に臨むことになります。
内容もさることながら、教養試験の同日程で実施されることが多く学習のバランスが難しいんですよね。
専門試験については、下記の記事で詳しく解説しています。
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出題数
自治体名 | 択一式 | 記述式 |
地方上級・全国型 | 40題全問必須 | なし |
地方上級・関東型 | 50題から40題選択 | なし |
地方上級・中部・北陸型 | 50題から40題選択 | なし |
東京都(一般方式) | なし | 10科目から3科目選択 |
東京特別区 | 55問(11科目各5問)から40問選択 | なし |
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40問程度を選択して答えていく方式ですね。
地方上級などでは択一式、東京都などでは記述式が実施されます。
制限時間
1時間30分〜2時間程度となっています。
記述式に関しては、その名のとおり記述する必要があるため思わぬ時間を取られる危険性がありますね。
1問に時間をかけず、全体を見ながら問題を解いていく必要があります。
③論文試験
論文試験は教養記述なども呼ばれ、主に与えられた課題について自分の考えや解決策を述べる試験。
必要な能力としては、
- 読解力
- 文章作成能力
読解力は、課題を適切に読み込み理解する能力のこと。
文章作成能力は、課題に対して論理的にかつ文章のルールを守りながら書いていく能力のことになります。
論文試験の基本情報
- 形式:論文形式か論作文形式
- 時間:1時間程度
形式
厳密に言うと、論文と論作文は難易度が異なります。
論文試験は主に大卒区分、論作文試験が高卒・短大卒区分で採用されていますね。
- 論文:課題に対して解決策などを提案する
- 論作文:自分系のことを記述する
こんな感じでしょうか。
論作文では「過去の経験を公務員としてどう活かすか」というような、自分に関することを問われます。
自分系のことなので書きやすいと言えるでしょう。
論文試験に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
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④適性試験
適正試験は、受験生の知性や性格を評価する試験になります。
具体的には、
- クレペリン検査
- 性格検査
などが実施されます。
ひたすらパズルのような問題を解かせれたり、簡単な計算を大量に解かされるなど、違った方向で受験生に負荷をかけていきます。
一定の負荷がかかると、人間の本性が現れるため「極端に攻撃的な性格でないか」などを試すことができますね。
⑤体力試験(公安職のみ)
体力試験は公安職の試験のみで実施されるものです。
公安職とは、警察官や消防官のことをいいます。
警察官であれば、凶悪犯から国民を守らなければなりません。
また消防官は、火災・自然災害・交通事故など日常生活で起こり得る様々な災害から、国民を守っていかなければなりませよね。
そうなると、必然的に一般人よりも体力が無いと国民の命を守るだけでなく、自分の命を危険にさらすことになってしまいます。
そのため、公安職の試験には体力試験が必須となっているんですよね。
具体的には、
- 腕立て伏せ
- 上体起こし
- 柔軟運動
- 反復横跳び
- 立ち幅跳び
- 持久走
などなど。
自治体によって、体力試験の内容は様々です。
必ず事前に把握しておきましょう。
⑥面接試験
地方公務員試験の最後の難関とも呼ばれる面接試験。
面接試験では、
- 積極性
- 社会性
- 信頼感
- 経験学習能力
- 自己統制
- コミュニケーション力
が試されます。
面接の形式は、
- 個別面接
- 集団面接
- 集団討論
- プレゼン面接
などが実施されます。
全ての試験が実施されるわけではなく、試験場所や職種によって組み合わされていくイメージです。
特に近年では、面接重視の傾向が見られしっかりと対策していなければ合格することが難しいと言えますね。
また、社会人採用枠の試験では第1次試験から面接試験が採用されており、いかに重要視されているかがわかります。
面接試験については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にどうぞ!
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試験の流れ
上記の試験は職種や受験場所によって様々です。
教養試験や専門試験は、基本的に第1次試験で実施されます。
しかし、論文試験などは第1次試験で実施されることもあれば、第2次試験で実施される場合もあります。
また採点方法も千差万物。
特に社会人採用枠は、教養試験がなく論文試験や面接試験のみ実施される自治体もありますね。
自分が受験する自治体の試験内容は確実に調べるようにしておきましょう。
まとめ
地方公務員の試験はとにかく出題範囲が広く対策が大変です。
特に初学者は、学習計画や試験情報などを同時に把握する必要があるため、なかなかハードルが高いですね。
まずは、どんな試験があるかしっかりと把握していきましょう。
最後に、各試験で役に立つ参考書を紹介している記事があるので、こちらも参考にしてください。
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