こんにちは、元公務員のヤット(@kantan-koumuin)です。
公務員試験に合格するためのノウハウを解説しています。

こんな疑問を解決できる記事を作りました。
この記事の内容
- 試験内容
- 日程や試験地
- 対策方法
皇宮護衛官の採用試験は、一般的な公安職の採用試験と変わらず基本的なものが多い印象。
ただ、国家公務員であることから試験地や日程などに特徴があります。
「皇宮護衛官になりたいけど、試験の仕組みが理解できません」という人も、この記事がお役に立てます。
この記事は、3分程度で読んでいただけます。
もくじ
皇宮護衛官になる流れ
皇宮護衛官の試験内容を解説する前に、実際に働くまでの流れを解説しておきます。
皇宮護衛官として、実際に皇室関係者の方々をお護りするまでには5つのステップを踏んでいくことになります。
- 採用試験に合格
- 皇宮警察学校を卒業
- 護衛署で3ヶ月の研修
- 皇宮警察学校で補習カリキュラム
- 皇宮警察学校で実戦実習
このステップを踏まなければ、実際に働くことはできません。
多くの受験生は、内定をもらえればすぐに働けると勘違いしていますが、実際には多くの研修を修了する必要があります。
まず、採用試験を受験し内定をもらう必要があります。
今回の記事では、この部分を詳しく解説していきます。
皇宮警察学校に入校し、修了後に護衛署に研修として3ヶ月働くことになります。
その後、再度皇宮警察学校に再入校し5ヶ月〜6ヶ月研修を修了し晴れて皇宮護衛官として実際の現場に出ていきます。

皇宮護衛官採用試験の内容
皇宮護衛官の採用試験には3つの分類があります。
それぞれの分類ごとで若干の違いがあるため注意してください。
高卒程度
受験資格
高卒程度の受験資格は以下のとおり。(2022年度の場合)
- 2022(令和4)年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して5年を経過していない者及び2023(令和5)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
- 人事院が(1)に掲げる者に準ずると認める者
ちなみに、大学卒業者であっても高校卒業後から5年以内であれば高校卒業程度の採用試験を受験することが可能。
試験内容
第1次試験と第2次試験に分かれています。
筆記試験では、知能と知識が同数出題されていますね。

試験 | 試験科目 | 解答題数・解答時間 | 試験内容 |
第1次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) | 40題 1時間30分 | 公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 出題数は40題 知能分野20題(文章理解⑦、課題処理⑦、数的推理④、資料解釈②) 知識分野 20題(自然科学⑤、人文科学⑨、社会科学⑥) |
第2次試験 | 人物試験 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 | |
身体検査 | 主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他一般内科系検査 | ||
身体測定 | 身長、体重、視力、色覚についての測定 | ||
体力検査 | 立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査 |
体力試験の内容は以下のとおり。
種目 | 内容 |
立ち幅跳び(瞬発力) | 立位姿勢から両足踏み切りで前方にどれだけ跳躍することができるかを検査します。 男子205cm以上、女子147cm以上を基準とします。 |
反復横跳び(敏しょう性) | 100cm間隔に引かれた3本のライン上で、20秒間のうちに何回サイドステップすることが できるかを検査します。 男子44回以上、女子37回以上を基準とします。 |
上体起こし(筋持久力) | ひざを曲げ、あおむきに寝た姿勢から、30秒間のうちに何回上体を起こすことができる かを検査します。 男子21回以上、女子13回以上を基準とします。 |
種目自体は、非常に少なく特別に対策する必要はありません。
大卒程度
受験資格
大卒の受験資格は以下のとおり。(2022年度の場合)
- 1992(平成4)年4月2日~2001(平成13)年4月1日生まれの者
- 2001(平成13)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1)大学を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2)短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2023(令和5年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
大卒程度の試験は、受験要件が「年齢条件」のみとなっています。
つまり年齢の条件さえ満たせば、中卒でも高卒でも受験することが可能。

試験内容
試験 | 試験種目 | 解答題数 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
第1次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) | 40題 2時間20分 | 3/5 | 公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 出題数は40題 知能分野 27題 (文章理解⑪、判断推理⑧、数的推理⑤、資料解釈③) 知識分野 13題 (自然・人文・社会⑬(時事を含む。)) |
課題論文試験 | 2題 3時間 | 2/5 | 文章による表現力、課題に対する理解力・判断力・思考力などについての筆記試験 出題数は2題 ・ 時事的な問題に関するもの1題 ・ 具体的な事例課題により、皇宮護衛官として必要な判断力・思考力を問うもの1題 | |
第2次試験 | 人物試験 | ※ | 人柄、対人的能力などについての個別面接 | |
身体検査 | ※ | 主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他一般内科系検査 | ||
身体測定 | ※ | 身長、体重、視力、色覚についての測定 | ||
体力検査 | ※ | 立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査 |
(※)の部分は合否の判定のみを行います。
大卒区分の筆記試験は、知能が27題と多く知能の出来が合否に大きく関ってきます。
また、課題論文試験は2題3時間と長時間に及びます。
体力試験の詳細については、高卒区分と変わりません。
武道有段者
受験資格
受験資格は以下のとおり。(2022年度の場合)
- 2022(令和4)年4月1日において、高等学校又は中等教育学校を卒業している者 又は卒業している者と同等の資格があると認める
- 柔道二段又は剣道三段以上の者 ※ 段位については、柔道は講道館、剣道は全日本剣道連盟から授与された ものに限る。 過去5年間( 2017(平成29)年4月1日~2022(令和4)年3月31日)に 下記ア、イ、ウのいずれかの実績がある者
ア 全日本柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する全国規模の競技 大会において、個人戦に出場した者又は団体戦に登録された者
イ 都道府県柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する都道府県規模 以上の競技大会(アに該当するものを除く。)において、個人戦又は団体戦 で上位4位以内に入賞した者
ウ 全日本学生柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する全国規模の 競技大会(アに該当するものを除く。)において、個人戦で上位8位以内に 入賞した者
有段者試験の受験生は基本的に少なく例年、若干名となっています。
試験内容
試験 | 試験科目 | 内容 |
第1次選考試験 | 論文試験 | 文章による表現力、課題に関する理解力・判断力・思考力など 論文試験 1 についての筆記試験(解答時間80分) |
実技試験 | 柔道又は剣道の技術の習熟度と技量等についての試験 | |
第2次選考試験 | 人物試験 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
身体検査 | 主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、 身体検査 選 尿、その他一般内科系検査 | |
身体測定 | 身長、体重、視力、色覚についての測定 |
年度にもよりますが、社会人枠の募集もあり大卒程度の年齢要件を超えた場合も40歳未満であれば、受験のチャンスがあります。
採用試験の詳細については、人事院の採用試験NAVIをご覧ください。
【皇宮護衛官採用試験】日程と試験地
皇宮護衛官は警察庁に所属する国家公務員。
そのため、地方公務員などの採用試験とは若干異なります。
日程
日程は例年、大卒で6月の1週目に第1次試験が。
高卒で9月の4週目に第1次試験が実施されます。
2022年度の場合は下記のとおり。
受付期間 | 3月18日(金) 9:00~4月4日(月)[受信有効]※申込みは、インターネットにより行う |
第1次試験日 | 6月5日(日) 9:00(受付開始) 9:35(試験開始)〜16:25(試験終了) |
第2次試験日 | 7月12日(火)~7月20日(水) |
実施時期については例年、大きく変わることがないので概ね上記の日程と認識しておいてください。
試験地
試験場所については、全国で実施されます。
第1次試験 | 札幌市、多賀城市、東京都、大阪市、広島市、福岡市 |
第2次試験 | 札幌市、仙台市、東京都、京都市、福岡市 |
第1次試験と第2次試験の場所は異なるため注意してください。
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【皇宮護衛官】採用試験の難易度
難易度を簡単に測ることは難しいですが、倍率はとんでもなく高いと言えるでしょう。
具体的な数字は以下のとおり。
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
①申込者数 | 857(246) | 989 (272) | 1,027 (243) |
第1次試験受験者数 | 410(141) | 548 (177) | ー |
第1次試験合格者数 | 83(33) | 200 (72) | 173 (48) |
②最終合格者数 | 23(5) | 56 (18) | 49 (10) |
倍率(①/②) | 約37.3倍 | 約17.7倍 | 約21倍 |
近年の倍率は、20倍を超える倍率を誇っています。
ただ、試験内容自体はそこまで難しくないため、しっかりと対策していけば十分に合格する可能性はありますよ。
難易度については、こちらの記事を参考にしてください。
>>皇宮護衛官の倍率【倍率が高い理由3つを徹底解説してみた】
【皇宮護衛官】採用試験の対策法
ここからは、具体的な対策方法を解説していきます。
まずは筆記試験から。
筆記試験
基礎能力試験
意識することは、
出題数が多い科目を学習する
ことです。
例えば、大卒試験の場合は圧倒的に一般知能の出題数が多くなっているため、知能中心に勉強すべき。
また、知能は一度解き方を理解してしまえば、ほとんどの問題を解くことが可能です。
一方、知識は暗記が中心で非常にコスパが悪い科目。
そのため、知能の学習の合間にする程度で構いません。
論文試験
論文試験で最も大切なことは、書き方のルールを守れているかどうかです。
つまり、内容ウンヌンよりまずは適切な日本語のルールを知っておきましょう。
例えば、
- 誤字脱字
- 接続詞
- 主語述語
などなど。
また自己分析も欠かせません。
自分の考えをまとめておくと、面接試験でも役に立つので一石二鳥です。
人物試験
人物試験とは、面接試験のこと。
面接試験では「皇宮護衛官として適しているかどうか」を面接官が判断する試験です。
下記の事項は最低限、答えられるようにしておきましょう。
- 自己PR
- 志望動機
- 長所短所
また、模擬面接も欠かせません。
自分の考えをまとめたとしても、面接官に適切に伝わらなければ意味がありませんよね。
必ず、模擬面接をしましょう。
具体的な対策法を解説してきましたが、
「こんなの1人で準備できないよ・・・」
こんな風に感じたそこのあなた。
大丈夫、それが普通です。
多くの受験生は、公務員予備校を活用しながら皇宮護衛官の試験を受験しています。
少しでも不安が残るのであれば、公務員予備校の活用を考えてみましょう。
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