購入しようか迷っています。

こんな疑問を解決できる記事を作りました。
結論から言うと、アガルートアカデミーの文章理解対策講座は購入しなくていいです。
理由はデメリットが多ぎるから。
僕ヤット(@kantan_koumuin)は、数多くの公務員系学校を経験しており、学校や講師のレベルに関しての知識が豊富にあります。
僕の経験から見て、アガルートの文章理解対策講座はおすすめできない・・・。
とてもじゃないけど、受験生の皆さんにおすすめできる講座ではありません。
セットで講座を受講する場合は文章理解対策講座も付いているため、特に問題はないですね。
ただ、文章理解対策講座単体で購入しないでください。
あまりにも期待し過ぎると後悔してしまいます。
その理由を忖度なしで徹底的に解説していきます。
アガルートアカデミーの文章理解対策講座の基本情報
アガルートアカデミーの文章理解対策講座(以下「アガルートの文章理解対策講座」)は、完全オンライン型の講座。
そのため、場所や時間を選ばず公務員試験対策が可能です。
基本情報は以下のとおり。
講座名 | 【公務員試験】文章理解対策講座 |
販売元 | AGAROOT ACADEMY |
料金 | 21,780円(税込) |
視聴期間 | 2022年9月29日〜2023年10月31日 |
教材 | 文章理解対策講座テキスト1冊 |
講義時間 | 合計14.5時間 |
担当講師
文章理解を担当する講師は2人。
現代文担当が田島講師。
田島講師はTwitterをやってるみたいなので参考に見てもいいかもしれませんね。

出典:アガルートアカデミーより
英文担当が黒田講師。
黒田講師は、英語の講師として経験は豊富ですが、公務員試験の担当は最近かな?と言う印象。

出典:アガルートアカデミーより
こんな人におすすめ
ぶっちゃけ、こんなことを言うのもなんですが・・・。
誰にもおすすめできません。
公務員試験講座のレベルとしては低く、少なくとも僕から受験生の皆さんにおすすめできるポイントがほとんどありませんでした。
記事の冒頭にもお伝えしましたが、文章理解対策講座のみ(単科)での購入はする必要ないかなと。(あくまで主観です)
強いて言うなら国家公務員総合職か一般職の試験を受験予定の受験生ですね。
講座の内容自体が、難易度高めの問題を取り扱っているため。
価格帯はどうか?
アガルートの文章理解対策講座の価格は税込で21,780円。
これは他の学校の講座よりもコスパがいいですね。
そもそも、単科講座を展開している学校が極端に少ないため、文章理解だけを受講することができません。
そのため、文章理解を学習しようとすると10万円を超える講座がほとんど。(セット価格のため)
こういった理由から考えてコスパは抜群です。
アガルート文章理解対策講座の悪い点6つ
正直、文章理解対策講座のデメリットが多すぎて泣きそうになりました。
僕自身は、アガルートのオンライン講座の質が素晴らしいと素直に思ったので、今まで皆さんにおすすめしてきました。
しかし、この文章理解対策講座は本当に残念の一言。
「本当にアガルートの講座?」と思えるほど。
まずはデメリットからお伝えしていきますね。
※講義動画の一部にはモザイク処理を施しています。ご了承ください。
悪い点①:講師が公務員試験講座に慣れていない
これが一番致命的です。
文章理解対策講座の2名の講師は経験豊富で、素晴らしい講師だと思います。
しかし、公務員試験対策の経験が浅いためか見当違いなことを連発してましたね。
2名の講師は公務員試験対策でなく「大学入試などの指導がほとんど」と言う点を見逃してはいけません。
大学入試と公務員試験の内容は全く違います。
そのため、公務員試験に特化した指導が必要。
しかし2名の講師はそれができていませんでした。
悪い点②:講座の構成がめちゃくちゃ
構成がめちゃくちゃなので、恐らく受験生は講座の内容を理解できないと思います。
例えば、現代文担当の田島講師。

出典:アガルートアカデミーより
いきなり「マクロロジックが〜」と言う説明から始まります。
この内容を初学者の人が見てどう思いますかね?
まず理解できません。
講義の最初の段階ですべきは、
- 文章理解とはどういう問題か?
- 解く上でのポイント
- 効率的な学習方法
などの順番で解説していけば、全ての受験生が理解できるでしょう。
ちなみに、最初の解説を5分程度で終わらせているため、いきなり問題解説に入っていく印象を受けましたね。
次に英文担当の黒田講師。
こちらはもっと酷いですね。

出典:アガルートアカデミーより
上記は動画講義の一番始め。
なぜか「名詞・形容詞・動詞」のカッコの説明から始まります。
そして衝撃なのが、この説明を30秒ほどしていきなり問題解説に移っていますね。
正直これほど意味不明な講義は初めて受講しました。
英文の文章理解には明確な解法パターンが存在しているのにも関わらず、その解説は一切なし。
ただただ問題を訳していくだけ。
「これって自分で問題解いているのと変わらないのでは?」と思ってしまうほど。
経験が豊富な僕でさえ、唐突すぎて驚いてしまったほどです。

悪い点③:受験生の存在を無視した進行
2名の講師とも、受験生の存在を無視し自分が言いたいことだけに集中している印象を受けましたね。
例えば下記のように終始、資料を確認するため下を向いたままの状態。

出典:アガルートアカデミーより

出典:アガルートアカデミーより
いくらオンライン講座だからと言っても、受験生の存在を無視してはいけません。
目の前に受験生がいないため、想像できないことは理解できますが、講師としてはダメでしょう。
他には、問題解説の際にテキストについての説明が全くされていません。
アガルートでは基本的にテキストを中心に講座が展開されていくため、テキストの存在が意外と重要なんですよね。
それなのに、この講義ではテキストに言及したことはほとんどありませんでした。
いや、何ページのどの問題だよ・・・
ってなるでしょうね。

悪い点④:解説がわかりにくい
解説が非常にわかりにくいですね。
特に、
- わかっている前提で話す
- ラインや印がごちゃごちゃしている
この2点が気になりました。
田島講師はそこら中にマーカーを引くクセがあるようですね。
結局、どの部分が大事なのか理解できません。
そして何より見にくいです。

出典:アガルートアカデミーより
黒田講師も同じような感じ。
下記の文章を見てパッと見分かりますかね?
僕は一切理解できなかったし、見る気も失せました。

出典:アガルートアカデミーより
悪い点⑤:避けるべき問題を中心に解説している
こちらも致命的。
文章理解では避けるべき問題があります。
それが、
- 文章整序
- 空欄補充
- 古文
- 見たことがない問題
これらですね。
上記の3つは、コツを掴むまでに時間を要し、コツを掴んでからも間違う可能性が高い問題です。
公務員試験道場では「絶対に避けるべき」と指導しています。
しかし、なぜか2名とも進んで避けるべき問題に手を出していますね。
田島講師の場合はこちら。
一番驚いたことは古文の解説している点。

出典:アガルートアカデミーより
なぜか、古文でよく使われる動詞の暗記を進めたりしてます。
はっきり言って、古文は捨てるべき科目の1つなんですよね。
なぜなら、圧倒的に出題数が少なくコスパが悪い問題だからです。
公務員講師の立場の関係上、古文の問題に触れておく必要は理解できますが、何問にも渡り解説するような問題では決してありません。
この辺りに公務員試験に慣れているかどうかが出てしまうんですよね。
次に黒田講師の空欄補充の解説を見てみましょう。
なぜか、文章題を置き去りにして板書しながらの解説が始まります。

出典:アガルートアカデミーより
これが、何を意味しているかわかりますか?
要は「他のスペースで板書しないと解説できない」くらいややこしい問題なんです。
下記は、空欄補充の選択肢の一例です。
選択肢だけを見ても捨て問の匂いがプンプンしてますね。

出典:アガルートアカデミーより
空欄補充は現代文ですら難易度が高いのに、英文なんて格段に難易度が上がります。
僕なら絶対捨てますね。

黒田講師の解説で一番驚いた点は、見たことが無い問題の解説です。
こちらは「対訳付き英文」と呼ばれる問題。
どうやら行政書士の問題を参考にしているようですね。

出典:アガルートアカデミーより
対訳付き英文とは、英文に対して日本語訳が掲載されており、正誤を判断する問題のようです。
はっきり言って「その問題出る?」と言う印象。
文章理解の基本は、
- 要旨把握
- 内容合致
- 文章整序
- 空欄補充
この4つです。
はっきり言って、要旨把握と内容合致以外の問題は無視していいですね。
しかも、公務員試験の講義に関わらず行政書士の問題を引っ張り出してくる意味が理解できません。
ダメ押しで対訳付き英文の解説回数の多さ。
なんと問題解説全体の半数以上を占めています。
最も基本的な問題である、要旨把握と内容合致の解説は数問程度です。

悪い点⑥:解説が不十分
解説がとにかく不十分で、受験生が混乱するような原因がたくさん見受けられました。
例えば黒田講師は、板書に「分詞構文」について書いています。
しかし、動画では一切この部分に関する解説はありません。

出典:アガルートアカデミーより
解説しないのであれば書くべきでないし、そもそも公務員試験で分詞構文など勉強しても仕方ありません。
また、全ての講義の初めにカッコの解説しているのですが、カッコの種類の説明だけなんですよね。

出典:アガルートアカデミーより
「名詞のカッコの種類は〇〇〜」とういうような説明。
カッコの説明って要ります?
せめて、名詞などが「どういった働きをするか」を解説してあげた方が受験生のためになるのかと。
アガルート文章理解対策講座の良い点5つ
デメリットを山ほど解説してきましたが、メリットもありました。
良い点①:考え方を解説している
受験生は問題を解くテクニックに目がいきがちですが、この講義では「考え方」について触れています。
例えば、
- いきなり選択肢を見ない
- キーワードを意識する
- 最初は制限時間を無視する
- 問題を見極めよう
などなど。
これらの考え方は、文章理解を解く上で非常に大切な考え方です。
良い点②:「なるほど」と思える工夫がされている
講義の中では、僕も実際に活用しているような工夫がされていました。
動画の中ではサラっと流れてしまうのですが、一部を紹介しますね。
例えば、段落に番号を振る方法。
これだけで文章の構成が把握しやすくなります。

出典:アガルートアカデミーより
典型的な誤答肢を把握しておくことも大切です。
これらの知識は、要旨把握や内容合致で必ず使うことになりますね。

出典:アガルートアカデミーより
良い点③:解法パターンや概要の解説がある
解法パターンについても触れらていました。
まぁ、当たり前なのですが解法パターンを知っていないと絶対に解けません。
また「問題がどのような作りになっているのか」の部分を把握しておくべきでしょう。

出典:アガルートアカデミーより

出典:アガルートアカデミーより
1つ残念だったのが、講義の冒頭で触れていないことです。
問題それぞれで対応しているような形だったので、受験生が確実に理解しているかどうか疑問が残る形ですね。
良い点④:価格が安い
やはり価格の安さは魅力でしょう。
文章理解の講義が2万円で受講できることは珍しいんですよね。
やはり科目の特性上、単科で受講できる学校はほとんどなく高額になりがちなので手が出しにくい科目。
アガルートの場合は、単科で受講できるのでありがたいですよね。
この講義内容で高額な場合は、正直苦情を入れてしまうレベルかもしれません・・・。
良い点⑤:偉そうでない
受験生の立場に立った指導をしていないという評価をしたばかりで矛盾していますが。
非常に謙虚な感じが出て良いです。
公務員系学校の講師の中には勘違いした人も居り、良い講師に巡り合うのは難しいんですよね。
田島講師と黒田講師は非常に柔らかな雰囲気で、1度も偉そうな素振りを見せることはありませんでした。
残念ながら公務員試験の指導には慣れていないため、厳しい評価を下しました。
しかし、もう少し経験を積めば非常にレベルの高い公務員予備校の講師になると感じています。

以上が悪い点と良い点の解説でした。
結果的には悪い点の数が良い点の数を上回ってしまった形となりましたね。
僕としては、アガルートが受験生のための学校であってほしいと言う願いから、厳しめに採点しました。
学校の決め方として、デメリットが許容できる範囲であれば受講を考えてみてもよいでしょう。
実際に講義の様子がYouTubeで視聴できるので参考にしてみてください。

講座の内容
講座の内容はほとんどが問題解説です。
現代文・古文と英文に分けて紹介しますね。
現代文・古文
現代文①
- 問題の概要・問題の解説・内容合致:29分17秒
- 問題の解説(国Ⅱ)・内容合致:19分13秒
- 問題の解説・要旨把握:21分20秒
- 問題の解説(国Ⅱ)・要旨把握:17分32秒
- 問題の解説(行政書士)・要旨把握:20分30秒
- 問題の解説・空欄補充:14分17秒
- 問題の解説・空欄補充(東京都):26分24秒
- 問題の解説・空欄補充(行政書士):23分07秒
- 問題の解説・文章整序(国家一般):25分44秒
- 問題の解説・文章整序(国Ⅰ):10分49秒
現代文・古文②
- 文章整序:11分17秒←?
- 古文の概要:10分44秒
- 古文の基本敬語動詞:17分52秒
- 問題の解説・源氏物語:17分15秒
- 問題解の説・蜻蛉日記:15分57秒
古文へチャプターが変わっているにも関わらず、現代文が一番初めにあるなど疑問が残る構成になっていますね。
英文
英文①
- 問題の解説:16分27秒
- 問題の解説:30分21秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):23分52秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):30分42秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):26分32秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):38分48秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):39分16秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):29分52秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):47分52秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):22分31秒
英文②
- 問題の解説・(対訳付き英文):38分24秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):47分02秒
- 問題の解説・(空欄補充):33分45秒
- 問題の解説・(空欄補充):24分34秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):23分58秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):23分04秒
- 問題の解説・(空欄補充):30分00秒
- 問題の解説・(文章整序):22分21秒
- 問題の解説・(対訳付き英文):29分10秒
ご覧の通り、ほとんどが「対訳付き英文」を取り上げています。
何かこだわりがあるのかもしれませんね。
まとめ:単科では受講する必要なし!
公務員試験道場では、公務員系学校を活用するのであればアガルートアカデミーの受講をおすすめしています。
しかし、お世辞にも文章理解対策講座は評価できません。
講座内容が受験生のためを想って作ったようには感じないためです。
このような状態ではとてもじゃないですが、自信を持っておすすめできません。
この点については、アガルートアカデミー側でもきちんと精査すべきでしょう。
今後の改善を願って、かなり厳しく評価しました。
もちろん、この文章理解対策講座が全く意味がないとは思いません。
単科以外のセットで受講する場合は、コースの中に文章理解対策講座が含まれているので問題ありませんよ。
また、文章理解以外の講座については単科講座でも十分おすすめできる品質です。
今回は残念な結果のレビューとなってしまいましたが、それでもアガルートアカデミーの公務員講座の全体的な評価は高いものと言えるでしょう。
まずは、アガルートアカデミーの公式ページで他のコースや講座を確認してみてください。