難しい理由を教えてください。

こんな疑問を解決できる記事です。
この記事の内容
- 総合職の難易度
- 合格率
- 難易度が高い理由
国家公務員総合職の難易度は、高いと言えます。
しかも、日本の公務員試験の中で一番難しい試験と言えますね。
しかし、一概に難易度が高いから試験に合格できないというわけではありません。
この記事では、国家総合職の難易度について客観的な数値から、難易度が高い理由まで解説しています。
もくじ
【国家公務員】総合職の難易度
国家公務員の総合職(以下「総合職」)は、公務員試験の中でトップの難易度を誇ります。
ただ、大前提として難易度という言葉は定義が非常に曖昧(あいまい)なんです。
例えば、倍率だけを見ても総合職より倍率が高い試験はたくさんあります。
また、国立大学レベルの人と地方大学レベルの人においても、それぞれの受験生が感じる難易度は違うでしょう。
このように、受験生それぞれが感じる属性、倍率などにより難易度は異なります。
難易度は曖昧(あいまい)であるという大前提を基に、この記事を読み進めてくださいね。
総合職の難易度はトップレベル
公務員試験の難易度は曖昧(あいまい)であるという大前提があるとしても、総合職は難易度は最高レベルです。
例えば、総合職の基礎能力試験の濃さからも判断できますね。
地方上級で難しくて捨てるような問題が、総合職では普通に出題されています。
一般的に難しいと評価されている試験を難なく解ける実力がなければ、合格することは難しいでしょう。
また、基礎能力試験に限らず2次試験以降も難易度が高い試験が展開されていきます。

【国家公務員】総合職と他の公務員との比較
難易度を測ること自体が難しいですが、一般的に評価されている情報を基に各公務員試験を難易度別にランク分けしています。
この記事ではSクラスからDクラスまで、クラス分けしています。
ただ、相対的な情報をまとめただけなので参考までにしてください。
Sクラス
Sクラスの試験一覧
- 国家公務員(国家総合職)財務省、経済産業省、総務省、警察庁
- 国家公務員(国家総合職)外務省、文部科学省、防衛省、内閣府、金融庁、会計検査院、厚生労働省、衆議院・参議院総合職
- 国立国会図書館総合職、裁判所事務官総合職
国家公務員試験が並んでいます。
特に財務省や経済産業省などの試験はトップレベルに難しいと言えますね。
Aクラス
Aクラスの試験一覧
- 国家総合職(国土交通省、環境省、農林水産省、法務省など)、制作担当秘書、防衛大学
- 都道府県庁上級(東京都庁・大阪府庁・愛知県庁、千葉県庁、神奈川県庁、埼玉県庁、福岡県庁、北海道同庁)
- 政令都市・特別区上級(神戸市、札幌市、名古屋市、東京23区など)、気象大学、衆議院・参議院一般職(大卒)、国立国会図書館一般職(大卒)、裁判所事務官一般職(大卒)、外務省専門職
Aクラスからは、等道府県庁の上級試験が入ってきますね。
例えば、東京都庁などは国家公務員並みに難しいとされています。
また、専門試験なども課されるため学習するべき範囲が非常に広く、対策に時間がかかる試験でもありますね。
Bクラス
Bクラスの試験一覧
- 地方上級【県庁・政令都市】、中核市、国家一般職、自衛隊幹部候補生、法務省専門職員、労働基準監督官、食品衛生監視員
各地方自治体なども公務員試験が入ってきますね。
また、労働基準監督官などの国家公務員試験もBクラスあたりに該当します。
「とにかく国家公務員になりたい!」と言う人は、労働基準監督官などの試験は狙い目と言えるでしょう。
Cクラス
Cクラスの試験一覧
- 教員採用試験、市役所【大卒】
- 地方中級【政令都市・都道府県庁】
- 財務専門官、国税専門官、皇宮護衛官【大卒】
- 海上保安官【大卒】、航空管制官
- 裁判所事務官【高卒】
- 衆議院・参議院職員【高卒事務局・衛視】
- 国立国会図書館【高卒】
- 国家一般職【高卒上位省庁】
- 海上保安大学校
教員試験や市役所は一般的な大卒程度の試験があれば十分に合格することができるでしょう。
また、教員試験に関しては教員の団塊世代の大量退職により、狙い目の試験と言えます。
Dクラス
Dクラスの試験一覧
- 地方初級【県庁・政令都市】
- 国家一般職【高卒下位省庁】
- 入国警備官、皇宮護衛官【高卒】
- 税務職員、海上保安学校、大卒警察官、大卒消防士
- 警察事務【高卒・短大】
- 学校事務【高卒・短大】
- 市役所【高卒】
- 短大卒の警察官・消防士
- 高卒警察官・消防士、自衛隊
自衛官の試験に関しては、毎年人材が足りておらず採用予定者数も多いため採用されやすい特徴があります。
また、自衛隊採用試験の年齢上限を26歳から32歳まで引き上げるため、より多くのチャンスがあると言えますね。
その他、警察官や消防官なども比較的難易度が低い試験。
ただ全ての試験に共通することですが、難易度が低い=合格しやすいと言うことではありません。
しっかりとした志望動機がなければ、第2次試験以降の人物試験を突破することはできないでしょう。
【国家公務員】総合職の区分別難易度
ここでは、人事院の公式ページで実際に公表されている数値を紹介します。
総合職院卒

出典:人事院公式ページより
総合職大卒

出典:人事院公式ページより
詳しく数値を知りたい方は、人事院の公式ページをご覧ください。
【国家公務員】総合職が難しい理由4つ
総合職の試験は難しい。
これは多くの受験生の共通認識でしょう。
しかし、なぜ難しいのか本質を知っている受験生は少ないんですよね。
実は、総合職の試験が難しい理由が4つあります。
理由①:ライバルの質の違い
総合職の試験に挑戦する受験生の質は、他の試験と全く異なります。
一番わかりやすい例は、受験生の出身大学でしょう。
総合職の試験において毎年のように上位に君臨しているのは、東京大学と京都大学出身の受験生たちです。
東京大学と京都大学といえば、言わずと知れた超一流大学。
その一流大学に合格する実力を持っている受験生たちが、総合職の試験を多く受験しています。
そのため、自然とボーダーラインは上がっていきますよね。
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理由②:専門分野の試験科目(幅広い知識)
総合職の専門分野は非常に深く、内容も難しいものになっています。
例えば、デジタル庁の区分で実際に出題された問題は以下のとおり。

出典:人事院公式ページより
まさに、デジタルに関する知識が無ければ一切解くことはできません。
一般職や地方上級試験に比べても相当レベルの高いものになっています。
理由③:1問1問自体のレベルの高さ
総合職の試験は、基礎能力試験ですらレベルが高いですね。
基礎能力試験とは、一般知能分野と一般知識分野から構成されている試験です。
地方上級試験の場合、難しい問題が出題されれば避けることができます。
と言うより、難問は避けて簡単な問題に注力するのは絶対的なルールなんですよね。
ですが、総合職の試験ではそれができません。
基本的に全ての問題が難しいので簡単な問題を見つける方が難しいんです。
例えば、下記の問題をご覧ください。

出典:人事院公式ページより
資料解釈の問題になります。
地方上級試験などの試験であれば、表が1つにとどまることが多いですが、総合職の場合は3つ。
資料解釈を解く場合、表が増えれば増えるほど比較すべき数値が増え、解く時間が長時間になりますね。
ちなみに、本番の試験で上記のような資料解釈の見れば、僕は解きません。

理由④:2次試験以降も変わらない難易度
総合職は筆記試験の突破しても、2次試験以降も変わらず難しいんですよね。
例えば、比較的難易度が低いと言われる教養区分の試験。
教養区分では専門試験が無いですが、政策課題討議や企画提案試験があります。
この試験は、課題のレベルも高くプレゼンテーションやディスカションが中心に行われます。
教養区分は専門的な知識が必要ないとされていますが、結局幅広い知識が必要とされています。
また、その後に控えている官庁訪問に関しても難易度は高いと言えます。
官庁訪問は2週間に渡って実施される最後の難関。
朝から晩まで実施されるような試験は、他の試験ではありません。
教養区分の試験に関しては【国家公務員】総合職<教養区分>のメリットと試験内容で詳しく解説しています。
難易度を気にするなら目指すべきでない試験
難易度を気にする気持ちはわかりますが、総合職を目指すのであれば辞めておきましょう。
理由としては、総合職を受験する人たちは最初から難易度など気にしていません。
多くの受験生は、東京大学などをはじめとする国立大学出身の受験生が多く、実力を持っている猛者たちが集まります。
そして「キャリア官僚として日本の中枢で腹きたい」と言う確固たる気持ちで受験しているんですよね。
そのため、難易度が高い低いなど気にしているようでは、絶対に合格できません。
もし、あなたが「絶対にキャリア官僚になる!」と言う気持ちを持っているのであれば、挑戦すべきでしょう。
まとめ
総合職の試験は日本で一番難易度が高い試験です。
一般職や地方上級に比べても、群を抜いて難しいと言えます。
総合職は国家の中枢での仕事を担うため、求められる能力は自然と上がってしまいます。
総合職の試験を突破するためには生半可な覚悟では乗り切れません。
僕自身何度か総合職の問題を解いたことがありますが、とんでもないレベルだったことを覚えています。
地方上級レベルの学力では、まず筆記試験にすら合格することすらできません。
しかし、対策方法などは確立されており合格可能性は0ではありません。
本気で目指すのであれば、十分に合格は考えられます。
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