
一般職との違いが理解できません。
こんな疑問を解決します。
この記事の内容
- 具体的な仕事内容
- 一般職との違い
- 研修制度
国家公務員総合職(以下、「総合職」)は、公務員の最高峰とも呼ばれる職業。
そして、その仕事内容は国家の中枢で企画立案などを行う重要な役割です。
でも、初学者からすると総合職の仕事か簡単に理解しにくいですよね。
そこで、この記事では総合職の仕事内容に特化して解説していきます。
この記事を読んでいただければ、総合職の仕事内容が全て理解できるようになりますよ。
もくじ
【国家公務員】総合職の仕事内容
総合職は、公務員の最高峰です。
人事院では「政策の企画立案等の高度の知識、技術または経験等を必要とする業務に従事する職員」と定義されていますね。
法律は、最終的に国会の議決で決定しますが、その法律案の多くを作成するのが政府。
その作成を主導しているのが各府庁の職員なんですよね。
各省庁が担当する業務内容に応じて、現在〜過去の問題を洗い出したり、海外での類似制度を研究したりします。
法律の条文の素案を作るにも総合職の役割なので、高度な文章作成能力も求められます。
また、各府省飛び越えての調整なども必要で、コミュニケーションなども必要になってきますよね。
国家の頭脳を担う
総合職は非常に重要な役割を担っている職業で、イメージとしては国家の頭脳の役割ですね。
例えば、国会の答弁で大臣が質疑応答を行なっている映像を見たことはあるでしょうか?
答弁で使用されている資料などは、総合職の職員が作成しています。
また、国の政策に直接関わるので正に国家の頭脳として働いているんですよね。
具体的な仕事内容
総合職の職員は、いわゆる「キャリア官僚」と呼ばれています。
各府省で政策の企画立案や法案の政策、大臣や議員への説明や予算編成などの業務に携わっていきます。
総合職に求められる能力はこちら。
- 幅広い知識
- 文章読解力
- 柔軟な発想力
- 企画力
- 法律を読み解く力
- 法案を作れる力
- コミュニケーション能力
などなど。
これらの能力をフルに使い、国家のために働いていきます。
昇進
昇進のスピードはかなり速い傾向。
一般職と比較すれば、圧倒的な速さです。
あくまで目安ですが、下記の表は総合職と一般職の昇任年数をまとめたものです。
総合職 | 一般職 | |
係長 | 4~5年 | 7~8年 |
課長補佐 | 7~9年 | 17~20年 |
課長級以上 | 17~20年 | 可能性は低い |
事務次官 | 人による | 可能性は低い |
※スマホの場合は、右にスクロールすることができます。
総合職は、昇任スピードが速いだけでなく課長級以上の承認がありますね。
また、役職として最高峰である「事務次官」を含め、幹部職員の半数は総合職の職員で占められています。
一般職員の場合、課長級以上の昇任は厳しい道のりと言えるでしょう。

【国家公務員】総合職の仕事の特徴
総合職は、他の公務員とは全く異なる仕事内容であると言っても過言ではありません。
やはり、国家の頭脳として働くため総合職特有の特徴があります。
スケールの大きさ
総合職は国家の中心として働くため、非常にスケールが大きいと言えるでしょう。
総合職の仕事の多くは、国や国民に貢献できるスケールの大きな仕事。
自分の関わった仕事内容がテレビや新聞で紹介されることも少なくありません。
このようなスケールの大きさは、他の公務員では絶対にできません。
短期間での異動
総合職の職員は、異動のペースが大変速いことが特徴的。
一般職や地方公務員の場合、異動ペースは3~5年が一般的である程度の年月をかけて経験を重ねていきます。
しかし、総合職は全く違います。
基本的に、総合職の職員は短期間のうちに、様々な部署を経験することを主眼としています。
幅広い経験を重ねることで、30代前半から課長級補佐として部下を束ねる立場に成長していきますよね。
異動のペースは、長くても2年前後で短いと1年未満の職員もいる程。

海外留学が可能
これは総合職の特権とも言えるでしょう。
総合職の職員は、語学力の向上や国際的な知見の習得などを実現するために、数多くの海外経験を積む機会を与えられます。
しかも、その費用は国費対応です。
具体的には、人事院の長期在外研究員制度などを利用して行われ、諸外国の大学院に派遣されることになります。
研究内容は様々で、
- 文部科学省:宇宙関係・原子力関係
- 農林水産省:環境政策
など。
帰国後は、海外経験を活かし高度な政策の企画立案に関わっていくことになります。
【国家公務員】総合職の研修制度
総合職は、研修制度が充実しています。

出典:人事院公式ページより
各階級の研修は以下のとおり。
- 採用:合同初任研修
- 係員:初任行政研修
- (3年目のフォローアップ研修)
- 課長補佐:課長補佐研修・リーダーシップ研修
- 室長:多府省勤務、地方公共団体勤務・・・
- 課長:課長級研修
- 幹部:幹部行政官セミナー
他の公務員でも研修制度がありますが、総合職はより幅広い研修が特徴的と言えます。
海外への研修

出典:人事院公式ページより
総合職は海外への研修制度も充実しています。
条件を満たした場合は、海外にも研修に行くことができます。
海外研修の目的は、行政の国際化の進展、複雑・高度化に対応できる人材を育成するためだと言われています。
毎年120名以上の総合職職員が、諸外国の大学院(修士課程・博士課程)に研究員として送り出されています。
財務省や外務省で採用されると、全員が国費留学することができますね。
他の省庁に関しては、TOEFLなどの決められた英語試験を突破することで、国費留学する機会を得ることができます。
確実に海外留学したい場合は、財務省や外務省を狙って受験すると良いかもしれませんね。
海外研修例
- 行政官長期在外研究員制度
- 行政官短期在外研究員制度
- 行政官国内研究員制度
派遣先例
- 【文部科学省】パリ政治学院(経営工学)
- 【財務省】ハーバード大学(法律学)
- s【警察庁】ケンブリッジ大学(犯罪学)など
【国家公務員】総合職の職場環境
総合職の仕事は、なんとなく激務であるというイメージがありますよね。
実際に、総合職の若手職員の約3割が月80時間以上の残業をしているというデータもありあます。
学生の意識調査では、超過勤務や深夜・早朝に及ぶ仕事内容から、総合職を避ける受験生は一定数いますね。
労働環境の改善が進んでいる
現在、総合職の受験人数が減少傾向にあります。
減少の一因として「激務である」というイメージが定着しているからでしょう。
そのため、積極的に様々な取り組みを行なっています。
具体的には、
- 勤務間インターバル制度
- フレックスタイム制の拡充
- テレワーク
などなど。
コロナの影響もあり、リモートワークが進んでいますね。
まとめ
総合職の仕事は、とにかくスケールが広く様々な仕事を担当することになります。
一般職や地方公務員では、絶対にできないような仕事もいくつも担当していくでしょう。
総合職は公務員の最高峰に位置付けられている、大変やりがいのある仕事の1つ。
しかし、簡単に就ける仕事ではなく様々な関門をクリアしていく必要がありますね。
まずは、総合職の職員がどのような仕事をしているのか知っておく必要があります。
そこから、自分にとって何が必要か見極めていきましょう。
下記の動画は、内閣官房内閣人事局が運営されているチャンネルになります。
若手職員の仕事の様子が動画で視聴できるので、参考にしてください。
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