
集合の解法パターン解説はこちらの記事を確認してください。
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この記事では以前解説した集合の解法パターンを使って実際に問題を解いていきます。
解法パターンを思い出しながら、問題を解いていきましょう。
この記事で学べること
解法パターンを活かした問題の解き方
それでは解説していきます。
もくじ
①要素が3つまで

【問題例】
クラス48人について所持品を調べたところ、次のことがわかった。このとき、くしも辞書もCDも持っている者は何人か?
ア、くしを持っている者・・・35人
イ、辞書を持っている者・・・30人
ウ、CDを持っている者・・・15人
エ、くしと辞書を持っている者・・・20人
オ、くしとCDを持っている者・・・10人
カ、辞書とCDを持っている者・・・8人
キ、くしも辞書もCDも持っていない者・・・2人
【選択肢】
1、2人
2、3人
3、4人
4、5人
5、6人
まず、注目ずべきは要素が「くし」「CD」「辞書」の3つです。
この時点で「ベン図を3つ使うんだな」と思っておきましょう。
この問題が求めていることは、「くしも辞書もCDも持っている者」です。
あなたはそれがどの部分のことを言っているかわかりますか?

ベン図の作成
ア〜キの条件をまとめると、このようなベン図になります。
問題が聞いている部分はベン図の真ん中にある3つ重なる部分になります。
条件の整理
要素が3つまでの場合、解法パターンに従って下記のように解いていきましょう。
①全体集合−補集合
②部分集合の和
③1要素の和−2要素の和+3要素の和+補集合
今回の問題は、③の1要素の和−2要素の和+3要素の和+補集合だけで解けてしまいそうです。
それぞれの要素を整理します。
・1要素の和=35+30+15
・2要素の和=20+10+8
・3要素の和=?(x)←分からないものには文字を書いておく
・補集合=2
・全体集合=48
あとはこの数字を公式に当てはめるだけです。
48=(35+30+15)−(20+10+8)+x+2
48=85−38+x+2
48=x+44
x=4
4という数字が出ました。
つまり「くしもCDも辞書も持っている者」は4人です。
正解は選択肢の3になります。
②要素が4つ以上

【問題例】
あるパーティーが催され、60人の人が集まった。その中で日本人は42人、男性は46人、子どもは15人であった。また、日本人の男性のうち子どもは4人、そして日本人のうち大人の女性は8人で、また外国人のうち女性は子ども3人だけであった。以上のことから、確実にいえるのはどれか。
【選択肢】
1、日本人の大人は34人であった。
2、外国人の大人は10人であった。
3、外国人の男性のうち子どもは4人であった。
4、子どもは日本人のほうが外国人より多かった。
5、日本人の子どもは男女同数であった。

このような場合には絶対にベン図では解けないので、樹形図を使いましょう。
樹形図の作成
条件を樹形図で書くと上記のようになります。
60人から始まり、大人の子どもまであります。そして末端にa〜hまで文字を振っておきます。
条件の整理
問題文から条件を整理していきましょう。
・全部で60人
・日本人・・・42人(外国人・・・18人)
・男性・・・46人(女性・・・14人)
・子ども・・・15人(大人・・・35人)
・日本人男性の子ども・・・3人
・日本人の大人の女性・・・8人
・外国人のうち女性は子どものみ・・・3人
ここから方程式を作っていきましょう。
文字から方程式を作る
・a+b+c+d=42
・e+f+g+h=18
・b+d+f+h=15
・a+b+e+f=46
・b=4
・c=8
・h=3、g=0

・e+f+g+h=18、h=3、g=0より
→e+f=15
・a+b+c+d=42より
→a+d=30
・a+b+e+f=46、e+f=15より
→a+b=31
・a+b=31、b=4より
→a=27
・a+b=31、c=8より
→d=3
・b=4、d=3、h=3、b+d+f+h=15より
→f=5
・f=5、e+f=15より
e=10
以上が方程式を変えていったものです。

先程の樹形図に数字を書いてみましょう。
マーカーで示した部分に、外国人の大人は10人と書いてあります。
正解は選択肢2となります。

③少なくとも

【問題例】
あるクラスで、スキーをしたことのある人は22人、スケートをしたことのある人は30人いた。クラス全体は40人であるとすると、スキーもスケートも両方したことのある人は少なくとも何人いることになるか。
【選択肢】
1、9人
2、12人
3、15人
4、18人
5、21人

線分図で表すとこのようになります。
ややこしいことは考えず、両側から線分を書いて重なっている部分が「少なくともスキーとスケートを両方したことにのある人」になります。
つまり選択肢2が正解となります。
ダメな解法パターン

キャロル図
要素が4つ以上の場合、公務員系の予備校や専門学校ではいまだにこの解法パターンを教えています。
この枠の中に数字や文字を書いていくのですが、とにかく分かりにくいです。
ある程度、勉強を重ねた受験生であればキャロル図を使っても良いですが、勉強を始めたばかりの受験生は混乱してしまう解法なので使うのはやめておきましょう。
要素が4つ以上=樹形図と思ってもらって間違いありません。

注意ポイント
要素が4つ以上の集合は判断推理の問題にあって、方程式を使うという異質な問題ですが、判断推理の中の1つの問題です。
意味の分からない公式

・2集合
・3集合

まさに意味不明ですよね。
とにかくこういった公式は暗記する必要もないですし、理解する必要はありません。
集合において、この解法パターンは一切使いませんので安心してください。
まとめ:集合の問題は3種類
今回の記事はここまでです。
おさらいです。
ポイント
・3要素
・4要素以上
・樹形図
・難しい公式やキャロル図は一切使わない
集合の問題は3種類のみです。
それぞれに適応した解法パターンがあるので、しっかりと理解しておきましょう。