
この記事で学べること
・数量の問題がどんなものか
・数量の解法パターン
・貸借表の作り方と見方
数量の問題は基本的に貸し借りの表を作って問題を解いていきます。
表を作らずに問題を解いてしまうと、混乱してしまってかえって時間がかかってしまいます。
必ず表を作りましょう。
それでは詳しく解説していきます。
もくじ
数量の問題
早速、数量の問題を確認してみましょう。
【問題例】
A〜Cの3人は映画のビデオを互いに貸し借りしており、その本数について次のことがわかっている。このとき、正しくいえるのはどれか。
【条件】
ア、Aは4本借りており、合計3本貸している。
イ、Bは合計3本借りている。
ウ、Cは合計3本貸している。
エ、どの2人の間でも互いに1本または2本の貸し借りがある。
【選択肢】
1、AはBに2本貸している。
2、AはCに2本貸している。
3、BはAに1本貸している。
4、Cは合計3本貸している。
5、AはCから1本貸している。

数量の問題は上記の問題ように互いに貸し借りをするというパターンが多くなります。
この数字のやり取りを頭の中で考えると絶対に混乱してしまいます。
パターンに従って解くと、数字を整頓しながら解けるようになります。
数量のパターン
数量のパターンは2つあります。
数量のパターン
①貸借表の利用
②表の外にある条件から考える
以上の2つになります。
順番に解説していきます。
①貸借表の利用
貸し借りの表は賃借表という名前があります。
作り方は至って簡単で、登場人物の分だけ表の枠が増えます。
例えば、A〜Cの3人が貸し借りをしたとしましょう。
横軸が誰に貸したか、縦軸が誰に借りたかを表しています。

理由は簡単で、例えばAはAに貸し借りはしないためです。
数量の問題が出題されれば必ずこの賃借表を作るようにしましょう。
②表の外にある条件から考える
数量の問題は、条件から表の中が埋まることはありません。
一見すると対応関係のようにも見えますが全く違うものになります。
例えばAはビデオを3本借りているとしましょう。
この条件からではAがBとCから何本借りたかまでは不明のままです。
つまり表の中の数字は0〜3本までの幅があります。
借りている場合は縦軸で見ていくことになります。
貸借表の通りBとCの枠にわざわざ0876〜3本なんて書いていられませんし、枠が埋まってしまうと後々面倒なのでこのような書き方はNGです。
こういった条件の時は表の外に数字を書いていきます。
赤丸で囲った部分に数字を書いておきましょう。
基本的に数量の問題は表の外側しか埋まらないということを覚えておきましょう。

もう少し詳しく解説しましょう。
先ほどはAがBとCにビデオを合計3本貸したということでしたが、イメージで言うと下記の通りになります。
矢印の通り、AがBとCに貸しているのでその枠が埋まるというわけです。
反対にAがBとCに貸している場合は横軸で見ていきます。


実際に問題を解いてみよう

【問題例】
A〜Cの3人は映画のビデオを互いに貸し借りしており、その本数について次のことがわかっている。このとき、正しくいえるのはどれか。
【条件】
ア、Aは合計4本借りており、合計3本貸している。
イ、Bは合計3本借りている。
ウ、Cは合計3本貸している。
エ、どの2人の間でも互いに1本または2本の貸し借りがある。
【選択肢】
1、AはBに2本貸している。
2、AはCに2本貸している。
3、BはAに1本貸している。
4、Cは合計3本貸している。
5、AはCから1本貸している。


作れましたか?
それでは条件の通りに数字を入れていきましょう。
個別の条件整理
条件アより、Aは4本借りて、3本貸しています。
条件イより、Bは3本借りていますが、貸している本数は不明です。
条件ウより、Cは3本貸していますが、借りている本数は不明です。

たしかにそうですね。
しかし、まだ残されている条件があります。条件エを確認してみると「互いに1本または2本の貸し借りがある」と言っています。
つまり枠の中には3以上の数字は入らないということになります。

数字を当てはめていく

ここからは自分で数字を当てはめていきます。
今の状況はこのような形です。
注意ポイント
貸借表の右上あたりに1or2と書いています。これは3以上は入らないという意味を表しています。
忘れないように条件は全て書き出すようにしておきましょう。
あなたはどこの枠から埋めていきますか?

それも間違ってはいなのですが、おすすめはできません。
何故なら自分で数を当てはめていく場合、一発で数字が決まることの方が少ないのです。
ということは何度か同じような作業が必要です。
繰り返す場合、当てはめていく数字が小さければ小さいほど修正がしやすいのです。
極端な例えですが、「100本のビデオを2人に分ける方法と、2本のビデオを2人に分ける方法」とでは、どちらの方が数を出しやすいでしょうか?

その通りです。
ということで、この貸借表においてもできるだけ数字の小さな枠から考えていきましょう。
狙い目は下記の3箇所になります。
・Aが3本貸している
・Cが3本貸している
・Bが3本借りている
この3箇所ならどこから考えても構いません。
間違っても「Aが4本借りている」箇所から当てはめて行かないようにしましょう。
注意ポイント
当てはめの場合、とにかく簡単な部分から考えていくのが鉄則です。上記の問題の場合たった1しか違いませんが、焦っている時などは驚くほど解く時間が変わってきます。
常日頃から簡単な部分から考えるようにしておきましょう。
Aが3本借りているパターンから考えていきましょう。
枠の中には1か2しか入らないので、BとCのいずれかに1本又は2本貸していることになりますね。
まだ確定できないので矢印でも書いておきましょう。
どんどん進んでいきましょう。
次に埋まる枠はどこかわかりますか?
答えはBがCに貸している本数です。これは貸借表を見れば一発でわかります。
Bは合計3本貸していて、そのうちAに2本貸しているので残りの1本はCに貸していることが分かります。


この調子で枠を全部埋めてしまいましょう。
これで枠が全て埋まりました。
イメージとしては緑色の矢印のように枠に数字が入っていきます。
それでは選択肢を確認していきましょう。
選択肢1→AはBに2本貸している。
枠を確認するとズバリAはBに2本貸しています。
正答は選択肢の1です。
時間が無ければ、このまま次の問題を解いていき、時間にある程度余裕があれば他の選択肢も確認してもOKです。
間違った当てはめの場合
当てはめは何度か繰り返す場合があると解説しましたが、その場合を実際にやってみましょう。
先ほどはBを2本と当てはめましたが、今回は1本にしてみましょう。
最終的にAがBに貸している本数が3本になってしまいます。
これでは条件エの「1本又は2本貸し借りしている」という条件に反しています。
このように最初にBを1本にした場合は、再度Bが2本に設定してやり直す必要があります。
これが当てはめの怖いところです。
まとめ
本日の記事はここまでになります。
数量の問題と判明すれば、すぐさま貸借表を作って問題を解くようにしましょう。
表を作らずに数字だだけでやり取りをしてしまうと確実に迷路にハマってしまうので注意が必要です。
ポイント
・数量のパターンは2つ
・条件は全て書き出す
・当てはめは簡単な数字から考える